«
»

消えた初版の「まえがき」、証言と食い違いも

800

 ここ数回にたって、曽野綾子さんの『ある神話の背景』についてその概要を紹介してきた。渡嘉敷島の住民の「玉砕」すなわち「集団自決」について、「極悪人赤松嘉次」の神話を一つ一つ突き崩していくという手法で解明しており、筆者は曽野さんを「ミステリー作家」と呼んでいる。彼女は数々の証人や記録を駆使し、読者をミステリー解明に引き込ませてゆく。

 曽野さんは「赤松神話」の元凶となった『沖縄戦・鉄の暴風』(沖縄タイムス社刊)を挙げている。実は初版の1950年8月15日、沖縄タイムス社編、朝日新聞社発行の『鉄の暴風―現地人の手による沖縄戦記』を入手していないことが分かる。

 初版の「まえがき」は述べる。

 <終戦4年目の49年5月、旧沖縄新報社編集局長、現タイムス理事豊平良顕「監修」、旧沖縄新報社記者、現タイムス記者の牧港篤三「執筆」、現タイムス記者伊佐良博「執筆」の3名に託し、1年を経て上梓の運びに至った>


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
無料で毎月10本までご覧になれます。
新規会員登録へ

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。