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辺野古埋め立て問う県民投票に宜野湾市議会も反対

 米軍普天間飛行場の移設先となる名護市辺野古への移設の賛否を問う県民投票条例をめぐり、同飛行場を抱える宜野湾市議会(上地安之議長)は、同条例に反対する意見書を賛成多数で可決した。反対は石垣市議会、うるま市議会と合わせて3例目となる。(那覇支局・豊田 剛)

普天間固定化に直結、危険性に苦しむ市民を置き去り

辺野古埋め立て問う県民投票に宜野湾市議会も反対

辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票に反対する意見書を賛成多数で可決する宜野湾市議=4日、宜野湾市議会

 宜野湾市議会12月定例会開会日の4日、与党が県民投票に反対する意見書を提出した。県民投票は辺野古沖の埋め立ての是非を問うもので、来年2月24日に実施が予定されている。

 反対意見書を提案した自民系の呉屋等議員(絆輝クラブ)は、県民投票の請求要旨で「普天間飛行場の固定化につながる最悪のシナリオに全く触れておらず、強い憤りを禁じ得ない」と訴えた。その上で、政府が米軍普天間飛行場の返還の条件とする辺野古移設に複雑な感情を抱く市民への配慮が足りず、普天間固定化にもつながりかねないと主張した。また、平安座武志議員(同)は、「国防は国の専権事項で県民投票にはそぐわない」と強調。県民投票が日米同意を覆すことはできないと異議を唱えた。

 これに対し、共産会派の宮城力議員は、「県知事選や衆参両院選で示された民意を一顧だにしない政府に、市民が間接民主主義を補完する直接民主主義で県民投票に立ち上がった。地方議会は住民の権利を守らなければいけない」と語った。

辺野古埋め立て問う県民投票に宜野湾市議会も反対

4日の市議会本会議には、辺野古移設反対派ら100人を超える傍聴者が訪れた

 一方、同条例に反対し一日も早い普天間飛行場の危険性除去および閉鎖・返還を求める意見書が賛成15、反対10の多数で可決された。賛成したのは自民系12人と公明会派3人だ。辺野古移設に否定的な公明の対応が注目されたが、「県民投票の実施自体に反対するものではないが、二者択一では民意を十分に反映できない」という理由で賛成に回った。

 松川正則宜野湾市長は近く、県民投票実施に必要な関連予算案を提案する方針だが、否決される見通し。このため、同市での実施が見送られる公算が大きくなった。

 宜野湾市以外に、県民投票の実施に反対か慎重な自治体は、石垣、糸満、うるまの3市だ。石垣市議会は10月、投票に反対する意見書を可決した。うるま市議会の企画総務常任会は7日、県民投票の予算案を賛成多数で否決した。また、沖縄市や宮古島市など保守系が多数の議会でも否決される可能性がある。

 玉城デニー知事は4日、県議会の代表質問で、「県民の皆さんの意思を直接反映させることができる重要な機会だ」と述べ、実施の意義を強調した。だが全ての市町村の協力が得られるかは困難な状況だ。

 県民投票の呼び掛け人代表で、元シールズ琉球の元山仁士郎氏も宜野湾市議会での議論を傍聴していた。元山氏は、「私も宜野湾出身者として普天間の危険性は分かっている」と前置きした上で、「引き続き県民投票を求めたい」と話した。

 県や元山氏らは当該市や市議会に対する要請行動をしたり、記者会見を開いたりなどし、世論に訴える作戦を取っている。また、沖縄地元2紙は、社説などで県民投票の否定的な自治体を名指しで批判、事実上の圧力をかけている。

 沖縄出身のジャーナリストの仲村覚氏は、「県民投票に反対する宜野湾市の“自己決定権”は認めず、県民投票の事務を行うべきと主張する。これは革新派による典型的なダブルスタンダード」と指摘し、県や地元メディアの態度を批判した。

 「宜野湾市民の安全な生活を守る会」の平安座唯雄会長は、「(市議会の反対意見書は間接民主主義で当然、認められた市民の民意だ」と述べた。

 防衛省は14日にも辺野古の埋め立て海域に土砂を投入する。県民投票そのものに法的拘束力がなく、県民投票後の有効な手段を持ちえない県は、追い詰められている。


「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票条例」に反対し、一日も早い普天間飛行場の危険性の除去及び閉鎖・返還を求める意見書(要旨)

 県民投票条例を審査した沖縄県議会においては、賛否以外の選択肢を持つ修正案も提出されるなど、全会一致ではなく、多様な県民の意思をあらわすことに対し配慮が欠けるものである。

 県民投票条例は、普天間飛行場問題の原点である危険性の除去については全く明記されていない。宜野湾市のど真ん中にある普天間飛行場の危険性や騒音問題等で長年苦しんでいる宜野湾市民が置き去りにされ、危険性の除去について県民の意思を示すものではない。

 玉城知事は、県知事選挙について「県民が選挙で明確に示した辺野古反対の民意」と述べているにもかかわらず、再度、民意を問うことに対し5億5千万円の県民の税金をかけて行うことは理解しがたい。

 沖縄県に対しては、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去を行うため、現在中断している、国、県、宜野湾市で構成する普天間飛行場負担軽減推進会議及び同作業部会を早期に再開することを強く求めるものである。

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