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共産党の危険な本質に警鐘を鳴らす「公明」

リンチ査問や暴力路線の前例、革命政党のまま野党共闘

 公明党の機関誌「公明」が共産党批判を展開中だ。同誌6月号に「日本共産党流『民主主義と自由』の欺瞞」〈上〉、7月号に同〈下〉、8月号に作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏による「暴力革命を是認する日本共産党の危険な本質―共産党が『普通の政党』になれない理由」を載せた。

 6、7月号は公明新聞記者・飯竹憲弘氏が「立花隆氏の『日本共産党の研究』を通じて」論じている。4月末に死去したジャーナリスト・立花氏は、「田中角栄研究―その金脈と人脈」を雑誌「文藝春秋」(1974年11月号)に発表し反響を呼んだ。このことは「公明」も触れているが、当時自民党トップの田中首相が金脈問題で退陣に追い込まれる引き金となった。

 自民党政権が混乱した後、立花氏は対極にある共産党に焦点を当て、「日本共産党の研究」を「文藝春秋」(76年1月号~77年12月号)に連載(以下、立花論文)。その核心は書記長、委員長、議長などのポストで共産党トップに君臨した宮本顕治氏(2007年死去)が戦前、特高警察のスパイと嫌疑をかけた中央党員の小畑達夫を査問中に死亡させ、死体遺棄した1933年の事件を調査報道したことだ。

共産党の危険な本質に警鐘を鳴らす「公明」

野党党首会談に臨む(左から)社民党の福島瑞穂党首、共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表=16日午前、国会内(時事)

 「公明」6月号は立花論文から「査問現場に持ち込まれた凶器類は、ピストル、実弾3発、出刃包丁(2丁)、薪割り用斧(2丁)、硫酸瓶、錐(きり)、針金、火鉢、炭団(たどん)、麻縄、細引、目隠し、猿轡(さるぐつわ)などであった。査問、リンチの凄惨(せいさん)さを物語るものであろう」と載せている。また、「事件の真相を豊富な資料を基につぶさに暴露」し、「国会でも春日一幸民社党委員長(当時)が衆院本会議で取り上げた」と回顧した。

 春日委員長らの「リンチで殺した」との追及に、共産党は「小畑達夫は特異体質」でショック死だったと反論した。しかしながら死は、凶器が数々持ち込まれた密室で拘束され、「特高のスパイめ」と長時間査問された結果なのだ。

 重要なのは、このような共産党と当時の他の野党は「共闘」しなかったことだ。それが反自民非共産の枠組みだ。しかも共産党は、暴力革命路線に走った戦後の数々のテロ事件を含めて査問事件などを国民に謝罪して反省するけじめをつけていない。ほかに同6月号は、共産党が立花論文を連載した取材班に仕掛けたスパイ、立花氏らに浴びせた罵詈(ばり)雑言が執拗(しつよう)で悪質だったことに触れた。

 同7月号では、共産党の組織原則である民主集中制について、立花論文から「民主集中制は、その本質が独裁制であるが故に、日常的な政治システムとしてはまったくいただけないものであるが、革命組織の組織原則としては、極めて有効なものである。とりわけ暴力革命を目指す組織としては…」などと引用した。

 民主集中制の共産党が党内では認めない自由、民主主義は、「社会主義的変革への移行の基礎をきりひらく任務を持つ」(7月号)意味で使うという。言い換えれば、資本主義体制の政権を倒す手段のための「自由と民主主義」だ。東京五輪反対もその一環だろう。

 同8月号で佐藤氏は、1961年共産党綱領と、2020年に書き改められた現綱領と比べ、「革命という言葉を巧みに避けているが、…革命政党であるという共産党の本質は変わっていない」と解説。「共産党は破壊活動防止法に基づく調査対象団体」「『敵の出方論』に立った暴力革命の方針に変更はない」とした6月11日の閣議決定を指摘する。共闘する立憲民主など野党は、「革命」への移行を手伝うことに一線を画すことができるだろうか。

 編集委員 窪田 伸雄

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