«
»

日本学術会議とLGBT

自己申告で性別変更を提言

 日本学術会議の左派支配は「LGBT」問題にも表れている。同会議の法学委員会・社会と教育におけるLGBTIの権利保障分科会は2017年、提言「性的マイノリティの権利保障をめざして―婚姻・教育・労働を中心に―」を公表した。同分科会は、LGBTに「I」を加えているが、それはインターセックス(性分化疾患)を意味する。

 この提言の中で、「今日の社会では、法制度上、婚姻と生殖・養育との不可分の結合関係は失われ、婚姻法は主として婚姻当事者の個人的、人格的利益の保護を目的とするものになっている」として、「婚姻の性中立化」つまり性別を問わないための民法改正を提言した。直接的には「同性婚」の合法化だが、当事者が望めば、どんな結婚形態も認めよ、というようにも解釈でき、国民感情からはとても受け入れられるような内容ではない。学術会議の中でも、左傾化が激しいと言われる人文・社会科学分野の学者たちが、一般常識からどれだけ懸け離れているかを示す提言である。

 月刊「WiLL」12月号の日本学術会議特集で、LGBT問題を扱ったのは同性愛者であることをカミングアウトしている元参議院議員、松浦大悟だ(「学術会議はLGBTをわかっていない」)。

 LGBT当事者の松浦が「首を傾(かし)げたくなる内容」と指摘したのは前述の提言の(Ⅱ)で、副題は「トランスジェンダーの尊厳を保障するための法整備に向けて」(今年9月23日付)。現在の「性同一性障害者特例法」は、性別適合手術による生殖腺の除去と外性器の形成などを要件として戸籍上の性別記載の変更を可能としている。しかし、提言はそれを廃止して、自己申告だけで性別を変えられるようにするため、新たに「性別記載変更法」を制定せよと求めている。

 だが、これが実現したらどんな混乱が起きるか。温泉や銭湯で、男性の生殖器を持つ「自称女性」が女湯に入っても、誰も抗議の声を上げることができなくなる。性的少数者に対する「人権侵害」「差別」と言われるからだ。一般の人は「まさか」と思うだろうが、それを提言したのが学術会議だ。

 紙幅が尽きたので、詳しく論じることはできなくなったが、左翼イデオロギーに支配されたことにより性的少数者の人権擁護が金科玉条となり、多数者の人権や社会混乱をあえて無視する日本学術会議の実態を示す例と言える。この提言一つ取ってみても、学術会議の解体論が説得力を持ってくる。(敬称略)

 編集委員 森田 清策

11

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。