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コロナ禍でも株高続く日本、「大復活」か「K字経済」かで分かれる予測

◆局所的打撃は回復か

 依然として続く新型コロナウイルスの感染拡大。このところ北海道や広島など地方でも感染者が過去最多を記録している。そうした中で着目されているのが日経平均株価の動き。今年1月4日の大発会は2万7258円でスタートしたが、翌2月15日には3万円を突破。

 現在は各地で緊急事態宣言が出されているものの、連日2万8000円台で推移している。一般に株価は経済の先行指数と言われているが、今後の日本経済は株価の示すごとく堅調に推移していくのか、新型コロナ禍の拡大が止まらず景気は一転下降していくのか、予測の難しいところではある。

 経済誌は、そんな日本経済の状況と今後の動向について分析した。週刊エコノミスト(5月4、11日合併号)は「日本経済大復活」を見出しに今後の日本経済の動向を予測。一方、週刊ダイヤモンドは5月15日号で「戦慄のK字決算上場500社明暗ランキング」と題して、2極化する企業業績を分析している。

 エコノミストの論調は、見出しから分かるように総じて上向き予測だ。表紙にある小見出しには、「点火秒読み『レジャー・観光』」「外国人が東京の不動産を爆買い」「日本株は『業績相場』前夜」「自動車米中好調で最高益続出」「テレワーク関連消費が絶好調」とまるで打ち上げ花火を上げているような企画となっている。

 この中で日本経済の先行きについては、「(今年1~3月期の日本経済は)個人消費の落ち込みは昨春の第1波と比べて小さく、一方で輸出はペースを落としながらも回復を続け設備投資の持ち直しも続いている。…製造業は堅調で維持している。昨年末以降の感染再拡大による経済への影響は、マクロショックというより、限られた分野へのセクトラル・ショック(局所的な打撃)に近いと言える」(河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト)とし、「コロナ禍でのロックダウンと経済成長の相関性は低い」と分析。

 局所的な打撃を受けたのは観光、レジャー、外食産業でエコノミストは「緊急事態宣言等の動向次第だが、時短営業の解除以降、外食各社の月次の数字は回復感が鮮明になってくるのではないか」とみる。

◆企業・業種間で格差

 一方、ダイヤモンドは5月決算期に上場企業500社を対象としてランキング業績を示し企業動向を分析した。今後の日本経済の動向に対しては「緊急事態宣言が発令された。なんとしても感染拡大を抑え込み、東京オリンピック・パラリンピック開催にこぎ着けたいのだろうが、再度の経済の冷え込みは避けられない」とエコノミストとは真逆の見解を示す。

 そんな今年の経済キーワードに「K字経済」を掲げる。これまで「V字回復」「U字回復」といった言葉があったが、2020年度の通期決算は「コロナという非常事態や社会の激変にうまく対応できたかどうかで、企業にも格差が生じ始めている」と同誌は説明、Eコマースなど好調な業種と、旅行や外食産業といった落ち込みが激しい業種で明暗が分かれ「K」の字のように格差が生まれているという。

 さらに同誌は新型コロナによって明暗を分けているのは企業だけでなく地域間での格差も生じていると指摘。新型コロナで暗い影を落としているのが北海道と四国。北海道は通年、外国人観光客の消費が大きなウエートを占めるが昨年はおおよそ皆無の状況。失業率も全国に比べて高い状況にある。同じように近畿・中国地方からの観光客の激減が四国経済を直撃している。

◆常に非常事態想定を

 こうした事態に対してダイヤモンドは「K字経済の世界で“負け組”をつくらないためには地域の課題を踏まえた支援が必要だろう」と説くが、地域住民への一時給付金を支給して消費を拡大するなどといった中途半端な支援では焼け石に水。災害など非常事態に対する日頃からの備えと同様に、企業は外生的な要因で起こる経済的緊急事態を常に想定しておかなければならないということを今回の新型コロナは教えている。

(湯朝 肇)

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