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日本新聞協会「NHKは受信料削減と業務抑制が必要」

 報道によると、日本新聞協会は金曜日、「NHKは受信料を2000億円削減可能だ」、「NHKは業務を抑制するような仕組みが必要だ」などとする意見を総務省の有識者会議で示したそうです。また、民放連も「NHKの受信料は高過ぎるから、これを続ければテレビを捨てる人が増えてしまう」などと危惧を示したのだとか。本稿ではこの話題をもとに、改めて「NHKをどうすべきか」について考えてみたいと思います。


「国民の敵」論

●「国民の敵」と、その2類型

 当ウェブサイトでは、以前から「国民の敵」という考え方を提示しています。これは、私たち日本国民が選んだわけでもないくせに、非常に強い権力や社会的影響力を持ち、私たちの社会を悪くしている勢力のことであり、もう少し正確にいえば、少なくとも次の①、②の類型があると考えています。

■国民の敵とは


①普通選挙を通じて有権者から信任されたわけでもないくせに、不当に強い政治的な権力を握り、国益を破壊する勢力。
②経済競争を通じて消費者から選択されたわけでもないくせに、不当に強い社会的影響力を握り、国益を破壊する勢力。

 このあたり、少し説明が必要です。

 そもそもわが国は「自由民主主義国家」であり、政治権力を持つ人は民主主義によって、社会的影響力を持つ人は自由経済競争によって、それぞれ選ばれる、というのが鉄則であるはずです。

●安倍政権は「国民の声」が選んだ

 実際、安倍政権は2012年12月に再発足して以来、現時点までにすでに7年半ほど続いているのですが、これは安倍晋三総理大臣が何らかの不正な手段で権力を維持しているわけではありません。

 2012年12月、2014年12月、2017年10月と3回に及ぶ衆議院議員総選挙で、安倍総理が率いる自民党が多数の議席を獲得しているからであり、また、2回に及ぶ自民党総裁選挙で安倍総理が勝利しているからです。

 ちなみに、2013年、2016年、2019年という、3回に及ぶ参議院議員通常選挙でも自民党は事実上の勝利を収めています。地方選では自民党が敗退している事例もいくつかあるのですが、少なくとも国政レベルでは、安倍政権は国民の正当な審判を受けて来たと考えて良いでしょう。

 その意味で、少なくとも安倍晋三総理大臣を含めた安倍政権の大臣、政務官らは「国民の敵」ではありません。私たち日本国民が「気に入らない」と思えば、選挙権という「権力」を使って自民党に投票しなければ済むからです。

●超優良企業にはたゆまぬ経営努力

 また、任天堂といえばゲーム機の大手として知られており、昨今のコロナショックに際しても、任天堂製のゲーム機「Nintendo Switch」が品薄状態となり、転売価格が急騰するなどの事象が発生しているほどの企業です。

 しかし、人々が競って任天堂の製品を求める理由は、法律で「日本国民は任天堂製品を買わなければならない」と記載されているからではありません。任天堂の製品が人々にとって魅力的だからです。全世界でマリオの顔を知らない人はいません。

 「安倍総理が2016年リオ五輪の閉幕式でマリオの格好をした」というエピソードを持ち出すわけではありませんが、安倍総理は選挙で政治権力を、マリオは正当な経済競争で社会的影響力を、それぞれ獲得しているのです。

 逆に言えば、正当な選挙を経ていないくせに、不当に大きな政治権力を握ってしまい、その組織がその政治権力に基づいて行動した結果、日本の国益を損ねているのだとしたら、そのような組織は間違いなく「国民の敵」です。

 間違った増税原理主義を掲げ、消費税の増税などをゴリ押しすることで日本経済を破壊して来た財務省こそ、「国民の敵の総本山」であり、増税を推進してきた歴代事務次官らは、まさに万死に値します。

 しかし、残念ながら私たち日本国民が「選挙」という手段で財務省の政治権力を排除することはできません。なぜなら、財務官僚は選挙によって選ばれたのではなく、「国家公務員試験」という、私たち一般国民が介在できないプロセスによって選ばれているからです。

 (※ちなみに当ウェブサイトの存在理由のひとつは、「選挙で選ばれたわけでもないくせに、不当に大きな権力を持つ財務官僚のような存在こそが問題だ」「だからこそ、選挙を通じて財務省の影響力を排除しなければならない」ということを社会に訴えるためでもあります。)

NHK「国民の敵」論

●NHKが「国民の敵」と言える理由①1兆円超の金融資産

 ただ、こうした「国民の敵」は、財務省だけではありません。

 正当な経済競争に打ち勝ってきたわけでもないくせに、やたらとおカネを儲けていて、資産をしこたま溜め込み、職員に異常な高給を支払い、反日的な番組を作って日本社会を悪くしている放送局があるのだとしたら、そのような放送局は間違いなく「国民の敵」です。

 以前、『NHKこそ「みなさまの敵」財務的には超優良企業』で、NHKが公表している財務諸表をもとに、NHKという組織が財務的に見るとかなりの問題をはらんでいる、と報告しました。

 たとえば、NHKは連結集団内に1兆円を超える金融資産を抱え込んでいますが(図表1)、これはいわば、NHKが過去にかき集めて来た受信料の残りを積み立てて来たものです。

図表1 NHKが保有する金融資産残高>
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(【出所】NHKの『平成30年度連結財務諸表』

 こんな巨額の金融資産をグループ内に抱え込んでいるということは、過去に徴収した受信料があきらかに過大だった証拠ですが、「公共放送」を騙るNHKに、こんな巨額の金融資産が必要であるとはどうしても考えられません。

●NHKが「国民の敵」と言える理由②不当に高額な人件費

 また、これだけ巨額の資産があれば、必ず不正使用のリスクが出てきます。その典型例は、NHKの高額すぎる人件費でしょう(図表2)。

図表2 NHKの単体決算上の人件費(2019年3月期)
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(【出所】NHKの『平成30年度財務諸表』

 NHKの人件費は合計が1603億円、ここから役員報酬を控除した職員人件費が1599億円ですが(図表2の①+③+④)、NHKの職員は2019年で10,333人ですので(NHKの『よくある質問集』参照)、単純計算で職員1人あたり1500万円ほどの人件費が支払われている計算です。

 (細かいことをいえば、「厚生保健費」という見慣れない勘定科目に役員への人件費が紛れている可能性はありますが、金額的には僅少と思われるので無視しています)。

 また、NHKは都心部に超優良不動産などを大量に保有していると思われ、『サンデー毎日』は今から約5年前の記事で、NHK職員は23区内にある100平米の「職員住宅」に月3万円という破格の安い家賃で住んでいる、などと報じています(※この点については真偽不詳ですが…)。

■受信料収入でNHK職員の「好待遇」全調査


NHK受信料値下げの「公約」を事実上撤回した籾井勝人会長。だが、値下げの原資はある。視聴者のために「放送界の覇者」といわれるNHK職員の恵まれた待遇を再考すれば、巨額の「埋蔵金」が掘り出されるのも夢ではないのだ。<<…続きを読む>>
―――サンデー毎日 2015年5月31日号より

●NHKが「国民の敵」と言える理由③公共放送の資格なし

 もちろん、一般論として、民間企業が自由経済競争に勝って大儲けしたとして、そのおカネをどう使おうがその企業の自由ですし、儲かっている会社が職員に対して超豪奢な社宅を格安の値段で提供したとしても、全然問題ではありません。その会社の好きにすれば良い話です。

 しかし、NHKがそのような行動をとることについては、非常に大きな問題があります。

 そもそも論として、NHKが大儲けしていることは事実ですが、これはNHKが自由経済競争によって獲得しているおカネではありません。

 その根拠のひとつが、放送法第64条の規定です。

■放送法第64条第1項本文


協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。

 細かい話を言えば、放送法の規定は「契約をしなければならない」であり、「受信料を払わなければならない」という規定ではありませんが、それでもNHKはこの法律などを根拠として、テレビを設置した家庭やホテルなどから受信料を半ば強制的にかき集めている状況です。

 私たちの住む自由・民主主義国家では、本来、「自分が受けていないサービスに対し、税金・公租公課以外のおカネを払わなければならない」というのは明らかにおかしな話ですが、現実にわが国では、テレビを設置してしまえば、事実上、NHKに対する受信料支払い義務が生じてしまっているのです。

 そして、NHKが「公共放送」を騙っているわりには、NHKが放送しているコンテンツには公共放送の資格がないものも含まれています。その典型例が、先月の『公共の福祉に反する番組作るNHKの廃局を議論すべき』でも紹介した、あまりにも一方的な政治的主張に偏り過ぎた番組です。

 正直、メディアであれば、大なり小なり、政治的にある程度偏向することは止むを得ない話ではあります。

 しかし、NHKの場合、放送法で受信料を強制徴収する権利が認められている理由は、NHK自身が「公共放送」を騙っているからであり、「公共放送」であるならば政治的に偏向することは絶対に許されない話です。

NHKを「倒産させる」

●私たちはNHKを「倒産させる」ことができない

 さて、冒頭の「国民の敵」の定義に戻りましょう。

当ウェブサイトでは「国民の敵」のうち、経済的な組織を、

「②経済競争を通じて消費者から選択されたわけでもないくせに、不当に強い社会的影響力を握り、国益を破壊する勢力」

と定義しました。

 その趣旨は、「経済競争を通じて倒産することがない」、あるいは「日本の消費者がその企業を倒産させるということができない」、という点にあります。ちょうど、財務官僚を選挙で落としてやることができないのと同じようなものでしょう。

 当たり前の話ですが、あなたが街にレストランを開いたとします。

 レストランを経営する以上は、「味が良い」、「ボリュームがある」、「サービスが良い」など、何らかの「売り」が必要ですし、しかも、レストランを経営しながら材料費を払い、家賃を払い、人件費を払い、税金を払わなければなりません。

 繁盛させるためには、味を研究したり、サービスを改善したり、コストを削減したり、従業員を教育したり、と、不断の努力が必要ですし、ちょっとでも評判が落ちるとたちまち客足が途絶え、倒産の憂き目に遭ったりすることもあります。

 そして、これはべつに「街のレストラン」に限った話ではありません。

 程度の差はあれ、世の中のありとあらゆる民間企業に当てはまる話です。

 しかし、NHKの場合は、「倒産しないために経営努力する」、という必要が、そもそもありません。放送法第64条第1項本文などの規定で、どんなに低質なコンテンツを作成しようが、「テレビを設置する人が一定以上存在する限りは」、絶対に潰れないからです。

●放送業界そのものの問題

 ただ、このような考え方を突き詰めていくと、ちょっとした疑問にぶち当たります。

 仮に――あくまでも「仮に」、ですが――、日本からテレビがなくなってしまえば、どうなるでしょうか。

 日本国民はテレビを持っている限り、NHKに受信料を支払わなければならないのですが、逆に言えば、テレビを持っていなければNHKに受信料を支払う必要などない、ということです。

 動機はどうであれ、「テレビなんて捨ててしまおう」と考える日本国民が増えてくれば、いかにNHKといえども、受信料収入を維持することはできなくなります。

 じつは、当ウェブサイトで以前から「持論」として掲げている考え方のひとつが、「あまりにも理不尽な制度があれば、テレビ業界自体を道連れにして滅亡に向かう」、という発想です。

 もちろん、今すぐ日本国民の多数がテレビを捨てはじめるとは考えられません。やはり、長年の生活で身に着いた習慣はなかなか変えられるものではありませんし、今までテレビを見ていた人たちが、ある日突然、その習慣を一斉に変えるとは、考え辛いからです。

 しかし、既得権に塗れた人たちというものは、得てして中・長期的に徐々に生じる変化に対しては非常に弱いというのもまた事実でしょう。

 とくに、昨今はインターネット環境が普及し、NETFLIXやAmazonなどのウェブ動画配信サービスも充実して来ました。『テレビの三重苦:視聴者、広告主、クリエイター離れ』などでも触れましたが、テレビ業界自体が現在、非常に大きな試練に直面していることは事実でしょう。

●半数がテレビ買い替えなければ今後5年で25%減る

 これに加えて現在、テレビ業界を大きく揺さぶっているのが、「コロナショック」です。

 『コロナが変える日本社会 テレビ局に待つ悲惨な未来』『有名ブロガーも「既存マスコミがコロナで死ぬ」と警告』『サザエさんはどこに行く?コロナ禍が変えるテレビ業界』などでも触れていますが、民放テレビ局各社は広告収入の落ち込みに苦しんでいるようなのです。

 NHKの場合は何があっても左団扇で暮らしていけるのですが、民放テレビ局はそういうわけにもいきません。「貧すれば鈍する」ではありませんが、「テレビはつまらない」と感じる人が増えれば視聴数が減り、広告収入も減り、番組制作費が減り、ますます番組がつまらなくなります。

 「地上波の民放テレビ局のコンテンツがつまらない」と感じる人が増えれば、数年のうちに、「NHKの受信料を払うのも嫌だし、民放テレビもつまらないので、もうテレビを捨てて、ついでにNHKの契約も切る」という人が激増してくる可能性があります。

 もしそうだとすると、一番可能性が高いのは、「テレビが壊れても買い換えない」という行動でしょう。

 一般にテレビの平均使用年数は10年前後といわれているようですが、現時点で世の中にあるテレビは5年で半減するはずです。

 非常に乱暴な試算ですが、世帯数が一定で、かつ、現在のテレビ視聴者の半数が「テレビが壊れても買い換えない」という行動をとったならば、今後の5年間で日本全国のテレビ保有台数は25%減ります。この場合、NHKの受信料が一定なら、NHKの売上も5年後に25%減るはずです。

新聞業界と民放連がNHKに反旗

●NHK「廃止論」「業務縮小論」

 さて、改めてNHKを巡り、本稿や過去論考などでも触れて来た当ウェブサイトの主張を繰り返しておきます。

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・NHKの受信料は不当に高く、不要な資産を抱え過ぎており、職員の給料も高過ぎる。

・公共放送の必要性は否定されるものではないが、少なくとも現在のNHKに公共放送を騙る資格はない。
・国民の意思でNHKを廃止する仕組みが必要である。

 ただ、非常に勝手な印象論で恐縮ですが、「そもそもNHKは日本社会に必要なのか?」という論点を正面から取り上げて来たのは、不肖当ウェブサイトを含めたウェブ評論サイトやブログサイト、さらにはツイッターなどのSNSにおける無数の人々のつぶやきが中心だったのではないかと思います。

 逆に言えば、新聞、テレビなどを中心とするマスメディア(あるいは「オールドメディア」)は、この「NHK廃局論」を巡って、断片的に取り上げることはあったとしても、本当に正面から取り上げてこなかったのではないでしょうか。

 だからこそ、昨年の参院選で「NHKから国民を守る党」(N国党)が1議席を獲得した際に、オールドメディアの皆さんは本気で慌てたのではないかと思う次第です。

ただ、金曜日付でこんな記事が掲載されていたのを発見し、思わず驚きました。

受信料、2000億円削減可能 NHKは業務抑制を―新聞協会


日本新聞協会は22日、総務省の有識者会議で、NHK受信料について、番組制作費などの抑制により、年間2000億円近くの削減が可能だとの見方を示した<<…続きを読む>>
―――2020年05月22日16時23分付 時事通信より

驚いたポイントは、大きく2つあります。

 1つは「オールドメディア」の一角を占めているはずの時事通信に「NHKの業務縮小」論が掲載されたこと。それからもう1つは、これを主張したのが「日本新聞協会」だ、という点です。

 時事通信によると、これは22日の総務省の有識者会議で示されたもので、当ウェブサイトの文責で箇条書きにすると、次のような主張です。

・NHKは年間2000億円近くの経費削減が可能(内訳は番組制作費で700億円、受信料徴収コストで700億円など)

・NHKは公共放送として担うべき業務範囲を規定し、事業運営を抑制的に行う新たな仕組みが必要

…。

 「NHKはいっそのこと廃局してしまえばよい」といった当ウェブサイトなどの主張と比べれば非常にマイルドな主張ですが、それでも「肥大化する業務を抑制するような仕組みを設けるべきだ」という主張が、「身内」のようなものである新聞業界から出てきたという点には、すなおに驚きます。

 あくまでも個人的な印象ですが、新聞業界とテレビ業界は隣接する業界でありながら、大手全国紙各社と在京キー局各社は資本関係も非常に密接であり、お互いがお互いの汚点をかばい合ってきたようなフシがあるからです。

●民放連「受信料水準は高過ぎる」

 時事通信の記事で驚いたのは、この部分だけではありません。

 日本民間放送連盟(民放連)が同じ会議で、「NHKの受信料水準は民間の動画配信サービスと比べて高い」と指摘したからです。

時事通信によると、民放連は

「受信料が高いからテレビは要らないと考える若者も少なくなく、結果的に民放各社の番組も視聴してもらえなくなる」

と述べたのだそうです。

 この点については先ほども報告した当ウェブサイトなりの持論である、「民放の番組がつまらなくなってテレビを捨てる人が増える(かもしれない)」、「テレビを捨てるときに背中を押すのはNHKの受信料だ」という主張とも微妙に重なります。

 ただ、微妙に違いがあるとすれば、因果関係でしょう。

 民放連は「NHKの受信料が高過ぎるからテレビを捨てる人が増え、結果的に民放の経営も苦境に陥る」と主張しているようにも見えますが、現実には「民放の番組もつまらないし、NHKに高額の受信料を払うのもバカらしいから、テレビを捨てる」というのが、当ウェブサイトなりの仮説です。

 もっとも、こうした微妙な違いはさておき、新聞業界とテレビ業界から「NHK業務縮小論」「NHK受信料引き下げ論」が出て来たのは、非常に面白い現象だと思う次第です。

●やっぱりNHKは廃止か民営化が妥当

 ただし、あくまでも当ウェブサイトの主張を申し上げるならば、少なくとも国民の選択でNHKに放送事業をやめさせるという機会を保証しなければなりませんし、NHKはやはり、「業務縮小」ではなく「廃止」か「民営化」が妥当です。

 国民から半強制的に高額の受信料をむしり取り、著しく反社会的な番組を制作し、非常識に高額な人件費を貪り、総額3000億円という非常識な金額を投じて新たな放送センターを作ろうとしているNHKを「飼う」だけの余力が、日本経済には存在しないからです。

 財務省の主張によれば、日本は「国の借金」とやらが1000兆円を超えていて、財政再建しなければならないのだそうですが(『国債372兆円増発と消費税法廃止、そして財務省解体』等参照)、それならばまっさきにNHKを解体し、1兆円を超える金融資産を国庫返納させるべきでしょう。

 それに、NHKは都心部などの超優良不動産物件を非常に低い帳簿価額で計上していると思われますし、放送する際の電波利用権についても、本来は電波オークションなどの仕組みを通じて高値で売却すべきです(※もっとも、電波オークションはNHKに限った論点ではありませんが…)。

 あるいは、世の中には「NHKの番組には良質なものもある」という意見があることは事実ですし、これらのコンテンツの再利用権を売却すれば、それなりの国庫収入をもたらすことでしょう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 なお、「NHK廃局とNHK職員の解雇はさすがに極論だ」などとおっしゃる方がいらっしゃることは重々承知していますが、もしそれが極論だというのならば、少なくとも放送法から「NHKと契約する義務」そのものを削除したうえで、NHK放送を「スクランブル化」することは、今すぐできるはずです。

 スクランブル化とは、「NHKと契約をしていなければ、物理的にNHKの放送を視聴することができない」という仕組みのことであり、これをやれば、NHKを見たいと思う人はNHKに受信料を払うでしょうし、そうでない人はNHKに受信料を払わなくて済むという「選択の自由」が国民に生まれます。

 総務省にとって「天下り先」としてのNHKは大切なのかもしれませんが、重要なのは総務省にとっての「省益」ではなく「国益」です。

 安倍政権にはぜひ、日本国憲法改正と並び、放送法第64条改正案に期待したいところです。


「新宿会計士の政治経済評論」より転載
https://shinjukuacc.com/20200524-01/

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