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コロナに明け暮れた学校 禍転じて福となせる来年に

《 記 者 の 視 点 》

 学校・教育現場においても、新型コロナの影響は大きく、まさに「新型コロナに明け暮れした1年」となった。

 地域・学校の事情によって差異はあるものの、3月2日から4月5日まで全国で臨時休校、通常40日くらいある夏休みも2週間程度に減少、文化祭・学園祭、修学旅行、ほとんどの部活の発表会、全国大会も簡素化されたり、延期・縮小される事態となった。応援してくれた保護者、支援者、何よりも本人たちの落胆・失望は計り知れないものがる。

 「なぜ、自分たちの時だけ」という生徒たちの落胆の声に対して、大人たちは、何もしなかったわけではない。高校野球であれば、夏に選抜大会の代替として、出場予定だった高校に限定1試合だけ甲子園での試合を行ったり、夏の甲子園は中止となったが、無観客・関係者のみの少人数で地方大会を開いた。

 文科系の部活であれば、校内や地域のホールで研鑽(けんさん)してきた成果を発表する機会を持ったりしている。修学旅行においては、旅行会社、飛行機会社とタイアップして、予定されていた観光地や都市を上空から見て回る遊覧飛行なども行われ、少なからず児童・生徒の心を癒やしている。

 小中高校の教育現場では新型コロナウイルス感染予防に向け、「手洗い、マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避」のさまざまな対策を取っている。文部科学省は「正しく知って、正しく恐れる」ためのマニュアルを提供している。

 教師が児童・生徒指導用として使えるよう、図入りで丁寧な説明がなされている。特に文科省は「公的なホームページで提供される正確な情報を得て冷静な行動を取るよう促している。特に、「無用な誤解や差別に至らないよう」注意を喚起している。道徳の授業では、咳エチケットなどのマナーとか“コロナ差別”のような身近な問題を、“自分事”として捉え、考える機会になったのではないだろうか。

 新学習指導要領の“目玉”である「主体的・対話的で深い学び」に力を注ごうとしていた教育現場では、苦慮している。新型コロナ対策で、大きな声で自分の意見を発表する機会が封じられ、少人数でのグループ討議も難しくなっている。英語を楽しく学んでもらうための外国人英語助手が来日できなくなり、人手不足になっている。

 休校時の在宅学習や意見発表の機会を増やすため、「1人1台タブレット」を進めている学校も多い。休校措置が取られたときのために、文部科学省、学校や塾が用意した教材を見たり、解答するためには、個人で使用できるパソコンやタブレットなどの端末機器、学校や自宅にインターネット接続の環境が整っていなければ“教育格差”は広がるばかりだ。

 学校の先生たちの働き方改革にも救いの手が差し伸べられている。道徳の授業が正規の扱いになり「特別な教科 道徳」となったり、新学習指導要領への対策で発言・対話の時間を想定して準備してきた先生たちは、新型コロナでリモートワーク、在宅勤務の時間が増え、不慣れなパソコンを使っての授業準備やオンライン授業に気を遣うことが多くなった。

 児童・生徒の健康管理や教室の消毒にも手数が増えた。雑務を担ったり、部活の指導など、教員免許が無くてもできる仕事を代行してくれる保護者も増えてきた。来年こそ、禍(わざわい)転じて福となせる年としたいものだ。

 教育部長 太田 和宏

(サムネイル画像:時事通信社より)

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