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ICT活用でいじめ予防

 AI(人工知能)といったICT(情報通信技術)活用で効率的な知識習得や個別最適化の学びが実現することから、海外では学校に1人1台、ICT活用が進んでいる。

 ところが、日本は5、6人に1台、遅々として進まない。11月初め、都内で開催された「Edvation x Summit 2019」では、公教育のICT活用が大きなテーマとなった。今回、幾つかのセッションに参加する中で、ICT活用の効果は学力や学びの質の向上にとどまらないということが分かった。

 サミットの討議者の一人であるGoogle for Educationのマーケティング統括部長スチュアート・ミラー氏は「PC上で教師と児童が情報を共有することができる。お互いを知ることでクラスが仲良くなる。いじめも減る」と述べていた。

 中でも興味深かったのは、「子育てしやすさ日本一」を掲げる大阪府箕面市の倉田哲郎市長の報告である。同市は子供の数の伸び率が府内でトップ。特に力を入れているのが、学力・体力・生活状況に関する小中学生の全数調査である。例えば調査項目の中から「最近友達と仲いいですか?」といった、学級の絆に関する質問項目を年2回とってデータ分析する。そうすると、学級崩壊の前兆が見えてくるので、クラス担任に注意喚起して早めに対処できるというのである。

 いじめや不登校といった子供の問題行動は教師の目からも見えにくい。対応が遅れたり、いったん解決したかのように思っても見えない所で問題が進行している場合がある。こうした複雑な心の変化をビッグデータで解析し、事前に対処できるとすれば可能性は広がる。「AIに任せ過ぎ」と言われかねないが、ベテラン教師の大量退職による若手教師の指導力不足、教師の過重業務の問題は深刻だ。

 公教育の質を上げるためにも、最先端技術の活用に期待したい。

(光)

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