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留学生所在不明、国と大学は在籍管理徹底を

 東京福祉大(東京都豊島区)の外国人留学生が所在不明になった問題で、文部科学省と出入国在留管理庁は、不明留学生は2016~18年度で計1610人に上るとする調査結果を公表した。

 この問題は不法残留者の増加につながるもので、安易に留学生を受け入れてきた大学側の姿勢は容認できない。

不十分な学習環境整備

 調査結果によると、16年度からの不明者1610人のうち学部研究生が計1113人に上った。学部研究生は東京福祉大が独自に設けた制度で、修了後に学部の正規課程への進学を前提としている。

 しかし、実際は「日本語の予備教育課程を行っていた」(文科省)という。学部研究生をめぐっては、不十分な確認作業などで一定水準以上の日本語能力を満たしていない学生が多数在籍していたことなどが判明した。

 研究生は入学金を含め、1年で約70万円の学費を払う。学費目当てに安易に留学生を受け入れていたのだとすれば見過ごせない。

 留学生の学習環境整備も十分ではなかった。15年度は教員1人当たりの留学生数が43・8人だったのが、昨年度は100・6人にまで急増した。教室は銭湯が入った雑居ビルの一室で、教室内のトイレは授業に関係のない学生が利用することもあったという。

 このような中で学力を伸ばせるとはとても思えない。学部研究生の出身地はベトナムやネパールなどが多く、最初から就労目的で入学した学生もいるとみられている。

 東京福祉大に関しては、名古屋市にある系列の専門学校でも定員を超えた留学生を在籍させていた問題が発覚している。定員1116人に対し、約4倍となる4000人以上が在籍していたという。

 今回の問題を受け、文科省と入管庁は留学生の在籍管理を厳格化する方針を打ち出した。東京福祉大に対しては、当面は新たに入学する学部研究生への「留学」の在留資格付与を認めない方針などを示した。

 今後、在籍管理に改善が見られない大学は「在籍管理非適正大学」に認定し、留学生の受け入れを認めない制度を設けるとしている。大学が外国人の不法滞在や不法就労の温床となってはならない。監督を強化するのは当然だ。

 一方、政府は留学生30万人計画を掲げて積極的な受け入れを進めてきた。18年度時点の留学生総数は5年前に比べて約13万人多い約29万9000人だった。しかし目標達成のため、大学に対する監督が甘くなったことは否めないだろう。

 留学生の場合、アルバイトなどで週28時間まで働くことができる。コンビニなどは人手不足で、アルバイトの留学生は不可欠の存在となっている。こうした現状も、今回の問題の背景にあると言えよう。

バイト状況の把握も

 留学生がアルバイトをすることは、法律の範囲内であればもちろん理解できる。

 政府は大学に、留学生の在籍管理と共にアルバイト状況の徹底把握も指導する必要がある。

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