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高額ランドセルを背負う小学生が増えている!「ラン活」の必要性とは? 

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 新年度に入り、背負い慣れないランドセルで小学校に通う新1年生の姿を見かけます。私が小学生だった10数年前は、女の子は赤いランドセル、男の子は黒いランドセルが一般的で、クラスに1人程その他の色のランドセルを持っている子がいた程度でした。それが近年では様々な色や、デザインのランドセルを購入することが主流になっており、好みに合わせてカスタマイズできるランドセルもあるほど人とは違う“自分だけのランドセル”を探す傾向にあります。最近では、両親や祖父母と一緒に子供の納得いくまでランドセル選びをする家族あげての一大イベントとなっており、ランドセル活動、略して「ラン活」という言葉が出てくるほどランドセル選びが進化しています。

●自分だけの特別を求める傾向にあるラン活

 ラン活をするために、各ランドセル会社の店舗やショールームなどを何件も訪れるのはさすがに家族の一大イベントといえど大変なことです。そこで、「合同ランドセル展示会」が5年前から行われており、年を重ねるごとに会場数、集客数を増やして人気になっています。今年も開かれるのですが、開催月は5月。今年度の新1年生ではなく、来年度の新1年生のために開かれます。小学校入学まであと1年もある子供達のために、親や祖父母は今から懸命に探し始めるようです。

 展示会には、全国にあるランドセル会社複数が1つの場所に集合し、1会場で数百種類のランドセルを見比べることができます。また、2019年度用の最新モデルや、WEB限定品、生地やカスタム部品も展示され、各ランドセルメーカーの多様なデザインを見ることができます。また、各ランドセルメーカースタッフと直接会話して質問ができるようになっており、その場で疑問を解決して納得して購入できるようになっています。ランドセル購入に際して、家族会議ができる休憩コーナーや、早期割引、展示会だけの特典を用意してあり、なるべく快適にラン活ができ、足を運びやすい工夫がされています。

 ラン活という言葉が出てくるほどランドセル商戦は過熟・早期化の一途をたどっています。総務省の家計調査ではランドセルなど通学用の鞄の支出がピークになるのは、以前は入学式直前の3月だったのですが、ここ数年は夏頃から増え始め、秋頃がピークになっています。

 これほどまでにラン活やランドセル商戦が活発化している背景には、少子化があります。総務省が公表した2017年10月1日の推計人口は7年連続減少し、65歳以上の高齢者人口の割合は27.7%と過去最高を更新し、初めて3500万人を突破。一方、0~14歳の年少人口は12.3%の1559万2000人となり、過去最多を記録しました。子供や孫の数が減る中、子供1人にかける金額が増えることでランドセル商戦が過熱しています。子供のために両親だけでなく、父方、母方の祖父母、合わせて6人の財布から資金が出る「シックスポケット」という現象。特に小学校入学という大きな節目は、シックスポケットの一大イベントといえます。

●三世代が集う機会となるラン活

 子供や孫にブランドや工房系のランドセルを買い与えてあげたいという両親、祖父母が増えてきており、ランドセルの平均価格は4万2400円で、この10年で7000円ほど高くなってきています。核家族化が進み、孫と会う機会が少ない祖父母からすると、普段会えないからこそ孫にとって大事な節目の時に、「何かできることをしてあげたい」、「孫のお気に入りのランドセルを贈りたい」という思いが強くなるのでしょう。

 私が小学校に入学する際も、祖父母から高級なランドセルを贈ってもらいました。しかし、私の弟と妹や、従兄弟もいたため、孫全員に高級なランドセルを贈ることはできず、従兄弟の中でも末っ子に近い妹には両親がランドセルを買ってあげたそうです。少子化となっている今、孫全員にそれぞれが好む特別なランドセルを贈ることができるのでしょう。

 ランドセルが多様化し、デパートや商業施設でもカラフルなランドセルをよく見かけます。自分の小学生時代とは全く異なるランドセル事情に戸惑いも感じます。ランドセルの高級志向の理由は分かりますが、いくら自分が気に入ったランドセルとはいえ、雑に扱ったり汚してしまったりしてしまうでしょう。購入する側からすれば、なるべく大切にきれいに扱ってほしいと思うのですが、果たして使う側の子供にとってはどうなのでしょうか。物を大切に扱う意識を持つことは大切ですが、毎日使うもので友達と遊びながら帰る時には雑に扱うこともあるかもしれません。高い物だから大切に扱わないといけないと意識させすぎて神経質になってしまう可能性もあります。お気に入りのランドセルを買ってあげたい、ブランド物を買ってあげたいと思う親心、祖父母心もあるでしょうが、就学前の子供は6年先のことまで考えられないため、使い勝手、デザインなど親や祖父母も一緒に考えて話し合いをしながらゆっくり決めたいものです。

 普段なかなか会えない祖父母が会いに来て、家族全員でランドセル選びをすることでコミュニケーションを取ることもできます。ラン活はランドセル選びをきっかけに祖父母、親、孫の三世代が集うイベントとなっていると考えれば、家族にとって大切な思い出を作る機会となっているのかもしれません。

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