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技術革新には大きく分けて二つある。従来とは…

 技術革新には大きく分けて二つある。従来とは異なる新たな発想に基づき生まれるものと、既存の技術の部分的な改良を積み重ねて得られるものだ。

 東京電力福島第1原発1~4号機建屋の回りに1・5㌔にわたって氷の壁を作り、建屋内への地下水の侵入を大幅に減らす「凍土壁」施工の技術には、その二つをミックスさせたところがある。

 凍土壁による地下水対策は、国内では地下鉄のトンネル工事などで既に実績があり、凍結管の埋め込みに目新しい技術が要るわけではない。しかし、地下水を核汚染源に近付けないという発想を実現するための遮水技術や埋設物が多い建屋周辺での施工に技術の革新が見られる。

 しかも、これほどの広範囲、長期間にわたる工事はほかに例を見ない。東電が昨年3月、凍土壁の工事を開始し、建設を続けると、一時400㌧あった建屋への流入量が約130㌧-に減少するなど、遮水効果は着実に出てきた。

 ただし、この、いわば未知の試みに対し、専門家のうちには懐疑的な意見を持つ人もいる。原子力規制委員会も、ようやく先日、未凍結だった西側の1カ所(約7㍍)の凍結を認可した。

 東電は認可から凍結までの時間を「数カ月」とみている。未凍結部分は地下水の流れが速いため、地盤に薬剤(水ガラス)を注入する補助工法も使う予定だ。事故を起こした東電には贖罪(しょくざい)意識もあろう。汚染水対策の成果を挙げることが求められる。

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