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北極圏では地球温暖化の影響で、海氷面積が…

 北極圏では地球温暖化の影響で、海氷面積がここ30年の間に約40%も減っている。大量の氷が解けると海水の塩分の濃度が薄まり、温度の違う海流の相互作用が弱まってしまう。

 そのため世界の海流の流れが遅くなり、まずはメキシコ湾流の影響を受ける北欧やカナダなどの寒冷化が始まると言われる。解氷の加速化の弊は計り知れない。

 その一方で、この解氷現象を“奇貨”として、沿岸国はこのところ北極の開発政策をにわかに推進しているのだから、国際社会の現実には恐れ入る。開発に先手を打ちたいという思惑もある。

 特にロシアの動きは顕著だ。北極には手付かずのまま原油や天然ガスなど膨大なエネルギー資源が眠っているとされ、次なる重要資源獲得の場として探索を強化している。また、未発見天然ガスの存在が予想される地域の大半の主権を主張している。

 海域やその沿岸の軍事的利用のもくろみもある。この地域で大規模な演習を実施し、拠点作りに励み、沿岸の数カ所の飛行場再開に向け余念がないのも、軍事目的からだろう。

 わが国は地域的に北極と直接の縁はないが、先月半ばに北極政策の基本方針を決定。安倍晋三首相は「北極をめぐる国際社会の取り組みで、主導的役割を積極的に果たしていく」とアピールした。北極圏の環境問題が先鋭化する中での開発競争。日本は国際協調の主要プレイヤーとして力を発揮すべきだ。

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