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【上昇気流】千葉市緑区にホキ美術館がある

(ホキ美術館 Wikipediaより)

ホキ美術館-Wikipediaより

 千葉市緑区にホキ美術館がある。現代日本の写実画の最高傑作を集めた美術館だ。南東には昭和の森、北側には清閑な住宅街がある。ここで野田弘志さん(85歳)の新作展「神仙沼」が始まった。

 ホキ美術館は何度か訪れているが、毎回ほれぼれと見とれてしまうのが建物そのもの。展示品を観(み)た後、外側を1周する。西から東へ延びる建物で、見る位置によって形が違う。

 駐車場から見ると四角い箱の組み合わせのようだ。入り口への通路には細い鉄パイプのオブジェがあり、期待に胸を膨らませてくれる。入り口を素通りして下って行くと建物の先端で、ギャラリーが宙に浮いている。

 北側は目立たない長い壁だ。壁は湾曲している。この建築物が面白いのは、単純そうな構造なのに内部と外部との関係が理解し難いからだ。館内で見た絵がどこにあるのか、外からではよく分からない。

 さて、ギャラリー3に展示された野田さんの「神仙沼」は、縦3㍍、横7㍍の大作で、北海道西部のニセコ山系にある沼と周囲の森を描いたものだ。風景画の最後の一枚として場所を探し、6年かけて描き上げた。

 自然の清らかさと静けさ、その中に無数の生と死がある。白い花を咲かせたミツガシワ、枯れた白樺の幹、葉に止まったトンボの死骸。野田さんは作品について「絶対的な実存の追求」と言い「中心はないが、すべてが主役」。そして「未完成で、死ぬまで加筆に通う」と語っている。

(サムネイル画像:Wikipediaより)

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