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【上昇気流】火山大国の日本

阿蘇山は活動している火口をのぞくことのできる中岳を持つ世界でも珍しい火山だ。カルデラ(窪地)周辺には広大な草原が広がり、別天地のようで一度行くと忘れられない美しい景観を誇っている。その中岳第1火口が20日に噴火した。

 噴火した熊本県の阿蘇山=20日午前11時43分(気象庁のライブカメラ映像より)

噴火した熊本県の阿蘇山=20日午前11時43分(気象庁のライブカメラ映像より)

古来、阿蘇山噴火の記録は数え切れないほどあると言われ、噴石によって死傷者が出たことも少なくない。1997年には火口から放出された亜硫酸ガスで観光客2人が死亡した。今回、登山者はみな無事だと分かってほっとした。

この間、13日に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられ、翌日には小規模噴火を確認。気象庁は噴火前日の19日に「噴火の可能性がある」と警鐘を鳴らしたが、レベル3(入山規制)への引き上げは噴火後だった。火山予知とその発出の難しさだ

阿蘇山では5年前、観測地点が4カ所から23カ所に増え、常時続けられるその観測体制は海外でも定評のあるところ。しかし、噴火の予知や規模などの判断は今のところ難しい。

2000年、北海道・有珠山噴火を予知し被害を最小限に食い止めた岡田弘・北海道大名誉教授は「予知は有珠山周辺で23年間、観測データを集め続けた成果」(『有珠山 火の山とともに』)という。

噴火の可能性の判断は、その山を愛し、張り付くような気持ちで観測した火山学者がすべきであると岡田氏は述べている。火山大国の日本で活火山は111峰。志ある火山学者に期待したい。

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