ワシントン・タイムズ・ジャパン

ノーベル文学賞の受賞者

このほど発表されたノーベル文学賞の受賞者は、残念ながら有力候補の村上春樹氏ではなく、タンザニアのアブドゥルラザク・グルナ氏だった。

7日、ストックホルムのスウェーデン・アカデミーに並べられたノーベル文学賞受賞が決まったアブドゥルラザク・グルナさんの作品(AFP時事)

7日、ストックホルムのスウェーデン・アカデミーに並べられたノーベル文学賞受賞が決まったアブドゥルラザク・グルナさんの作品(AFP時事)

毎年この時期になると、今回こそはという報道がなされる。その意味で、今年ばかりは静かな反応だった。有力候補といっても、実際にそうなのかは分からない。というのも、ノーベル文学賞の場合、芥川賞のように候補作が発表され、その中から選ばれるというものではないからだ。

村上氏が有力という根拠となるのは、英国のブックメーカーなどがはじき出した予測。村上氏が有力候補とされたのは2006年からだから、予測が当たっているとすれば落選は16度目となる。芥川賞・直木賞では、何度も候補になった作家の作品は対象から外れる。村上氏のノーベル賞落選は恒例行事化している。

報道記事の中には「秋の風物詩」といった表現をするものもある。村上氏が有力候補とされるのは、それだけ世界的に知名度が高く、本も読まれているということがある。ただノーベル文学賞は、政治的な賞という側面がある。

世界的な人気というよりも、政治的な活動や社会的影響力という面が評価の対象になる。それは米シンガー・ソングライターのボブ・ディラン氏が受賞したことでも理解できる

村上氏の文学は、政治的なものはあまりない(村上氏自身の政治的発言はある)。このように考えると、今後も受賞は難しいかもしれない。

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