«
»

アフガン退避で見えた日本の安全保障の課題

韓国軍輸送機への搭乗を待つアフガニスタン人協力者とその家族=25日、カブール(韓国空軍提供・時事)

韓国軍輸送機への搭乗を待つアフガニスタン人協力者とその家族=25日、カブール(韓国空軍提供・時事)

 退避する群衆を巻き込んだ実に卑劣な犯行だが、それを防止できなかった米国への失望も小さくない。アフガニスタンの首都カブールの空港付近で起きた過激派組織「イスラム国」(IS)による自爆テロ。

 米英は群衆が空港に近づかないよう警戒情報を出していたが、それはISがテロを起こすとの情報を掴(つか)んでいたからだともいう。それでも自爆テロを防げなかったのは、今月末までの米軍撤退プランへの意識が先行し、敵への細心の注意が疎(おろそ)かになっていたからか。

 この間、アフガンからの薄氷を踏む思いの退避は米国だけではなかったようだ。今月半ば以降、ドイツは約5300人、英国は1万3000人以上を退避させた。

 目を見張らされるのが韓国。韓国大使館などで働いていた現地スタッフやその家族13人を海外脱出させ、軍による計390人の移送作戦が終了した。米軍などの協力を得、対象者を特定のバスで空港まで移動させてタリバンの検問を切り抜けた。

 片や日本は最大500人の希望者の移送を目指したが、邦人1人を含む計15人の退避に止(とど)まった。安全保障関連法の施行で、自衛隊は在外邦人らの警護や救出のために従前よりも強い武器使用権限が与えられた。

 だが受け入れ国の同意や現地の治安が維持されていることが要件で、イスラム主義組織タリバンが支配するアフガンでは適用できなかった。実効性ゼロの法整備ではなく、憲法改正を含む抜本的な対策を求めたい。

2

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。