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本来の姿の鯉のぼりを地域の人々で上げよう

 きょうは「こどもの日」。男子の健やかな成長を願う端午の節句でもある。鯉のぼりを上げ、粽(ちまき)を食べたりして祝う。しかし最近はこの季節になっても、鯉のぼりをすっかり見なくなった。

 5月の空に鯉のぼりが吹き流しと共に泳ぐ姿は、見ていて本当に気持ちがいい。「やねよりたかいこいのぼり おおきいまごいはおとうさん ちいさいひごいはこどもたち」――。「こいのぼり」の歌は、家族の歌でもある。

 鯉のぼりを上げなくなったのは、一つには住宅事情があるだろう。都市部では子供がいてもマンション住まいは珍しくない。一戸建てでも庭がなければ難しい。

 一方、住宅事情が悪くない田舎でも鯉のぼりを上げる家は多くない。そもそも子供自体が少なくなった。もともとが武家の風習であり、菖蒲(しょうぶ)湯に入るのも「尚武」からきている。しかし最近は男の子であっても、必ずしも元気さ勇ましさを望まない風潮がある。

 その代わりというのではないだろうが、最近は川の両岸にロープを渡し、使わなくなった鯉のぼりをたくさん集めて吊(つる)すことが流行(はや)っている。最初はいいアイデアと思ったが、その背後にある事情を考えると複雑な気持ちになる。

 この光景を見た子供は、鯉のぼりとは川の上で翻させるものと勘違いしないか。親が子の成長を願い、空高く泳がせるのが鯉のぼりだ。家庭でそれが難しいのであれば、地域の人々が集まって本来の姿で鯉のぼりを上げてはどうか。

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