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疫病の早急収束に向け全貌の把握と対処が必要

 国立成育医療研究センター(東京)の調査で、子供のうつ症状が深刻なことが分かった。特に高校生の3割にうつ症状が見られ、同センターは「早急な対応が必要だ」と危機感を募らせる。

 また2020年に自殺した小中高校生は479人で、前年の339人から大幅に増え、女子高校生が138人と2倍近くになった。ともに新型コロナウイルス禍の長期化の影響が大きいとみられる。

 うつの調査に当たった医師の一人は「子供はストレスを自覚し、発散することが得意ではない。保護者は子供に共感し話を聞いてあげてほしい」と訴えている。青少年の心の病については、顕在的な情報が少ないようだ。

 毎日、コロナの新規感染者数が発表されるが、その増減に一喜一憂し、ややもするとそれでコロナ禍の全体を把握したつもりになっていたのではないか。しかし、罹患の増減はその断面にすぎない。コロナ禍の影響は計り知れないと改めて思う。

 物理学者の寺田寅彦が関東大震災直後に書いたエッセイ「地震雑感」の中で、各分野の学者は「地震現象の個々の断面を見ているに過ぎない」と。例えば計測の専門家にとって、地震は「地震計の記録と同意義」と手厳しい。

 その上で「あらゆる断面を総合して地震現象の全体を把握する事が地震学の使命」。要は地震の災害を予防することと断じたが、その所期の目的はまだ実現していない。疫病も早急な収束に向け、全貌の把握と対処が必要だ。

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