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地方には感染への不安や中央への不満がある

 郷里で町内会長をしている幼馴染(なじ)みから電話があった。新型コロナウイルス禍の中、帰省もままならず、長く空き家状態の実家に何か問題でも起きたのかと思ったが、隣の家が雨漏りの修理をするので実家の裏庭に足場を作らせてほしいということだった。

 そんなことであればどうぞどうぞと答え、幼馴染みと久しぶりに話をした。昨夏以来、実家には帰っておらず、ちょっと心配だ、亡父の命日の5月には帰れればと言ったところ「難しいんやないか」という答えが返ってきた。

 幼馴染みの口調はごく客観的なものだったが、東京圏からの来訪者への警戒感が微妙に感じられた。首都圏の住人は、人との接触をどうすればいいか、コツのようなものを会得してきた。しかし、地方はそうはいかないのだろう。

 政府は、大阪や愛知など6府県の緊急事態宣言を28日で解除すると決定した。一方、東京など1都3県について、政府分科会の尾身茂会長は「他の地域に比べて感染の減少スピードが鈍化している」と指摘し、再延長の可能性にも言及した。やはり首都圏が鍵を握っている。

 島根県の丸山達也知事が、東京五輪の聖火リレーの中止検討に言及して波紋を呼んだ。国全体で頑張ろうとしているところに冷や水を浴びせるような発言を「勇気がある」と捉える向きもあるが、お門違いもはなはだしい。

 ただ、地方には感染への不安や中央への不満などがあることも把握しておく必要がある。

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