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どの分野でも憧れの存在は活動の原動力となる

 全豪オープンの女子シングルス決勝戦を制した大坂なおみ選手。勝利会見で「私に憧れた選手とプレーできるぐらいまで長くプレーしたい」と。意識したのかどうか、準決勝の相手は女子テニスの第一人者として長らく君臨してきた39歳のセリーナ・ウィリアムズ選手だった。

 大阪出身の大坂選手は3歳で米国へ移住しテニスを始めた。「子供の時からセリーナを見て育った」「この人みたいになりたい」――。憧れの存在は大きな目標でもあり克己心を涵養(かんよう)してくれる。

 日本のプロ野球では、長嶋茂雄さんに憧れた多くの球児がプロに入って競い合い今も球界を支えている。その長嶋さんは阪神タイガースの藤村富美男を慕っていたという。大相撲では横綱白鵬関が大鵬に憧憬(しょうけい)して角界へ。後に対面も果たした。

 学問の世界も変わらない。物理学界では日本人初のノーベル賞学者・湯川秀樹を追って学徒たちが集い、わが国の素粒子分野を世界のトップランナーに引き上げた。

 ノーベル医学生理学賞受賞者の大村智博士には、細菌学者・北里柴三郎の「研究は実際に役立つ医療・予防の上に結実されるべき」という実学精神への強い共感がある。「小さい頃、祖母に『人のためになることをするのが一番大事なことなんだ』という教育を受けた」と述懐している。

 芸術家も憧れの存在は創造活動の原動力となる。ピカソは「良い芸術家は真似(まね)をする。偉大な芸術家は盗む」と独特な表現で示している。

サムネイル画像:全豪テニスでセリーナ・ウィリアムズ(右)に勝利し、決勝進出を決めた大坂なおみ(左)(AFP時事)

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