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「団塊の世代」と呼ばれる世代が存在する

 「団塊の世代」と呼ばれる世代が存在する。昭和で言えば、終戦直後に起きた第1次ベビーブームの22(1947)年~24年生まれ。現在は70代前半だ。

 加藤典洋著『オレの東大物語』(集英社・昨年刊)によれば、この世代は「世界を動かしているのは自分たち」という感覚を持ったことがある。自己中心的な価値観だ。

 理由は「多数派」という点にある。「人口が多ければいい」ということにはならないはずなのだが、「人口の多さは価値」と勝手に解釈して生きてきた歴史がある。

 企業に××大学(有力大学)出身者が多ければ、その大学出身者は何かと気が大きくなる。便利なことも多い。多数派の効能だ。それと同様に、多数であることに遠慮や引け目を感じるのではなく、優越感を感じて生きてきたのが団塊の世代だ。

 その世代も年齢にだけは勝てないから、今後は「老人問題」の原因となる。だから団塊の世代は「社会の更新に対する醜悪な阻害要素」だと昭和23年生まれの加藤氏(令和元<2019>年没)は指摘する。

 「阻害要素」というのは、あまりにも後ろ向きの表現だ。とはいえ、25年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、社会保障費の増大が避けられないという現実もある。加藤氏は亡くなったが、まだしばらく生きていく同世代はたくさんいる。生まれる時代を自分で選ぶことはできない。が、世代の宿命だけは引き受けていくしかなさそうだ。

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