三島の天才をミューズは見逃しはしなかった
50年前のきょう11月25日、気流子が通う高校の午後の授業開始早々、担当教師が「三島由紀夫が自衛隊で割腹自殺した」と語った。三島が東京・市谷の東部方面総監部のバルコニーで演説する様子などを職員室のテレビで観(み)ていたらしい。その口調には、実にばかげたことといったニュアンスがあった。
どこを見ても左翼ばかりだった当時としては仕方のないことだった。「憲法改正」などとんでもないという風潮だったし、なぜ割腹自殺したのか到底理解できなかった。しかし、その衝撃は大きかった。
陽明学的行動の人であると同時に鋭い洞察者であった三島の目的は、日本の伝統精神を忘れ、物質的な繁栄に満足する日本人を覚醒させることにあった。「檄」にあるように「今こそわれわれは生命尊重以上の価値の所在を諸君に見せてやる」ためであった。
三島の死は、政治的な死なのか、芸術的な死なのか、あるいはプライベートな死なのかということがずっと論じられてきた。恐らくその全てだっただろう。
大正14年1月14日生まれの三島は満年齢が昭和の年号となる。その生涯と文学には、華々しさの裏にある痛ましさを禁じ得ない。それは、華々しい経済発展を遂げる一方、占領憲法の呪縛の下にある戦後日本の痛ましさに重なる。
詩神(ミューズ)は、優れた才能の個人を選んで、その時代の詩を歌わせ、民族と時代を象徴させる。三島の天才をミューズは見逃しはしなかった。
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