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どうやら 「関西では妻のことを嫁と言うんだ!?」

 10年以上も前の話。テレビで関西の芸人が「うちの嫁は……」と話しだした。どう見ても30代にしか見えない彼に嫁がいるのが不思議だった。「嫁とは息子の妻」のこととそれまで考えていたからだ。

 だが話を聞いていると、どうやら嫁は本人の妻のことのようだった。「関西では妻のことを嫁と言うんだ!?」と思った。不思議な印象があったことを覚えている。

 もともと嫁は、両親が自分らの息子の妻を呼ぶ言葉だった。テレビ報道によれば、平安時代以来の伝統だ。とすれば、1000年の歴史があることになる。だから、自分の妻を嫁というのはおかしいという見方もあり得る。

 加えて「女」+「家」=「嫁」という漢字の組み立てのせいもあって、嫁という言い方は何やら封建的で古めかしい印象を与える場合もある。それを根拠として、嫁という用法は女性差別だと主張する人も中にはいる。

 差別論議はそれとして、妻を嫁とする言い方には違和感が今でもあって、そういう言い方をしようとは思わないし、したこともない。

 しかし言葉は変容するものだから、妻を嫁と呼ぶのもその一例とも考えられる。それはそれで自然な話だ。関西人が特別封建的なようには思えない。それなりに定着した地域特有の用法なのだろうとも考える。地域それぞれの事情があって、封建的と言われようとも「嫁=妻」が使われ続けた結果、やがて全国的に定着するようなことがあるかもしれない。

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