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かつては懐の深さを示した中国が漢化政策強行

 7月に再放送されたNHK特集「シルクロード」第6集「流砂の道~西域南道2000㌔~」を見て、複雑な感慨にとらわれた。タクラマカン砂漠の南縁のオアシス都市と仏教遺跡を訪ねる旅で、先導役をウイグル族のキャラバンリーダーが務める。

 番組の始まりあたりで、この地域で暮らすウイグル人の小学校の様子が紹介される。日中共同の取材班を子供たちが歓迎し、石坂浩二さんのナレーションが続く。「低学年の教育はウイグル語で行う。中国語を学ぶのは4年生から」。

 この集が放送されたのは1980年。当時はまだ、中国の新疆ウイグル自治区でウイグル語による教育が行われていたのである。

 しかし2016年から、同自治区ではウイグル語教育が禁じられている。そしていま民族文化の抹殺が進行中だ。中国はこれと同じことを内モンゴルで行おうとしている。

 海外メディアが初めてシルクロードに入ったこの特集は、その後シルクロードブームを起こしただけでなく、日本人の目に改革開放路線の象徴として映った。西域色の濃い遺跡ばかりでなく、西方的な顔立ちをしたウイグル人が伝統文化を守りながら暮らす姿に、多くの日本人は中国という国の大きさと懐の深さを感じた。

 それから約40年、中国は露骨な漢化政策を強行している。経済大国となり余裕ができれば、民族政策も寛容になると普通であれば考えるが、その逆だった。そこに中国という国の本質が隠れていそうだ。

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