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時代とともに大きく変化する登山のスタイル

 NHKBSの番組「グレートトラバース3」を楽しんで見ている一人である。出演するのはアドベンチャーレーサーの田中陽希さんで、日本の300名山を一筆書きに踏破するという壮大な挑戦。

 足の運び方を最初に見た時、まるで走るようで、登山家出身ではないような気がしたが、大学時代はスピードを競うクロスカントリーに親しんでいたという。肩書にあるようにレーサーなのだ。

 登山のスタイルは時代とともに大きく変化している。装備の軽量化で時間が短縮され、形態は集団から個人へ移り、インターネットの普及で山の情報が即座に入手可能となった。

 田中さんの登山スタイルはそのような時代を背景にしている。8月1日に放送されたのは「東北の名峰5座に挑む」で、飯豊山や蔵王や鳥海山が舞台となっていた。とりわけ興味を引かれたのは飯豊山だった。

 登ったのは今年の3月15日で、福島県の御沢から入山して三国小屋で1泊、翌日飯豊山に登ってそのまま下山している。積雪期にもかかわらず夏山と同じスピードで、さすがにレーサーと驚かされた。

 番組では雪が多く雪庇(せっぴ)が発達していると解説していたが、筆者が1970年代の2月に登った時と比べると、信じられないぐらい積雪量が少ない。放送では宿泊した三国小屋が地面に立っていたが、気流子が見たのは豪雪がすっぽり小屋を覆い尽くしていた場面。地球の温暖化も雪山登山を容易にさせている一因だ。

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