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冬の風物詩のマスクにコロナの影響で変化が…

 「マスクして人の怒りのおもしろき」(上野さち子)。角川書店編『今はじめる人のための俳句歳時記』にある冬の一句。俳句ではマスクは冬の季語である。最近はどこへ行ってもマスクだらけだから、マスクをしていない人の方が珍しい。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、マスクという季語の表す季節が変わってしまったのではと思うほど。旧暦と新暦の違いから季節感のずれはあったが、こうした感染症によって変わるのは異例。

 「不易流行」を唱えた芭蕉も、時代の変化に敏感だったことはよく知られている。古さと新しさの葛藤(かっとう)は、いつの時代も無関係ではない。

 今後、冬の風物詩のマスクが一年中見られるようになるかもしれない。マスクが日本で使われるようになったのはそれほど古いことではない。明治時代に西洋の衛生思想からマスクが入り、大正時代に一般化された。背景には、スペイン風邪流行などがある。

 世相を映す新聞の読者投稿の俳壇では、コロナ禍を詠み込んだ句を見掛ける。マスクに関わる風俗も詠まれている。コロナの影響による生活の変化は、今や当たり前の風景となっている感がある。

 不足がちだったマスクはようやくスーパーやコンビニで見掛けるようになった。いつまたマスク不足がぶり返すか分からないので、つい手が伸びる。ある店では「枚数が多いからこちらの方がお得ですよ」と店員さんに言われたほど。「たかがマスク、されどマスク」である。

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