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「重要なベースロード電源」と位置付けられる原発

 日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)が、原子力規制委員会の安全審査に合格した。竣工に向けた第一歩だ。

 2016年、核燃料サイクルに必要な高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決定した。その時、わが国の年来の原子力政策の望みも潰(つい)えたかと思われたが、今回の合格で核燃料サイクル政策も生き返ったと言える。

 以前、もんじゅが故障した時、藤家洋一原子力委員会委員長代理(後に委員長)に話を聞くと「軽水炉に続いて、高速増殖炉もやがて成功するだろうという、少し甘い発想があったことは事実。能力が非常に高いだけに、開発に独特の難しさがあると分かった」と悔しがった。

 だが「高速増殖炉なり核燃料サイクルは新しい科学技術に対するチャレンジだから、当然、研究開発の進捗(しんちょく)状況に照らして柔軟な計画に修正していく必要」があるとも。世界に先駆けて開発に着手したもので、トップランナーとしてそれを貫き通してほしかった、と。

 原燃は今後、安全点検などに膨大な作業が必要になり、再処理工場の完成にはなお時間がかかる見通し。また再処理された燃料を消費するには、改めて高速増殖炉の開発が求められる。

 今、脱炭素化が言われ、風力・太陽光発電などの再生可能エネルギーや水素が有望だ。しかし「重要なベースロード電源」と位置付けられる原発はなお有用な電源であり続ける。戦後、原子力の平和利用を先駆けて進めてきたわが国の真価が問われる。

(サムネイル画像:Nife – Nife’s Photo, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3495513による)

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