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台湾民主化の父、李登輝元総統が亡くなった。

 台湾民主化の父、李登輝元総統が亡くなった。97歳だった。1976年、中国の毛沢東主席が死去した時、巨星墜つと表現されたが、その実像は巨魁の方がふさわしい。李氏は文字通り自由アジアの巨星だった。

 気流子は2017年6月、台北市郊外の李氏の自宅でインタビューした。李氏は少し前に入院した後で、体調は必ずしもよくはなかった。

 こうした事情をよく知らず、欲張って2時間希望したが、周囲の判断で1時間ほどということになった。しかしインタビューが始まると、元総統は「台湾と日本は運命共同体」という持論を、熱をこめて語った。

 結果的にインタビューは1時間半ほどに延びた。沖縄県・石垣島訪問の際、石垣牛の美味(おい)しさに驚き、日本統治時代に持ち込まれた和牛を繁殖させる事業を花蓮で行っていることも熱心に語り、農業経済学者の一面をのぞかせた。

 聞きながら、今自分はアジアで最も高い見識と高潔さ、そして日本への愛を持った政治家を目の前にしているとの思いがわいてきた。李氏は武士道精神、公への奉仕を日本人が失っていることを歯がゆく思っていた。われわれは李氏の実践から、それらを学び直す必要があるのではないか。

 李氏宅には、病気見舞いに安倍晋三首相から贈られた蘭の花が飾られていた。1996年の台湾海峡危機の時も中国に対し一歩も引かなかった李氏の姿を、一番思い出してほしいのは、ほかならぬ安倍首相である。

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