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京都大、霊長類研究所の研究費の不正支出疑惑

 京都大は、霊長類研究所(愛知県犬山市)の研究費の不正支出疑惑で、元所長ら教員4人による約5億670万円の不正支出があったとの調査結果を公表した。大学の学術費として小さい額ではない。

 同研究所では13種、約1200頭のサル類を飼育しており、その研究成果は世界的に知られている。不正支出があったのはチンパンジーの飼育施設の工事など計34件で、仕様書通りに造った場合よりも多い金額を支出したり、架空の取引や代金の二重払いをしたりしていた。

 近年、国などの予算削減の一方、同研究所では飼育施設の狭隘(きょうあい)化や老朽化が進行し、維持管理が難しい状況だった。基金を創設ししのいできたが、依然課題は多かったという。不正経理の詳細、4人の役割分担は明らかでないが、研究とカネの板挟みになったことがうかがえる。

 国立大学の法人化による予算の減少は他大学も同じ。東北大工学部の元教授から「研究資金を得るため、大学執行部の資金集めに協力していたが、研究者として執行部に気を使う労がいとわしい。研究にマイナスだった」と聞いた。

 衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、ノーベル医学生理学賞受賞者で京都大の山中伸弥、本庶佑両教授の研究を支援するため、10年間で総額100億円を寄付すると発表した。

 誠に喜ばしい。今回の不祥事が、日本に興ってきた寄付文化の退潮につながらないことを願いたい。

(サムネイル画像:Wikipediaより)

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