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リモートでは、「面談」に代わるコミュニケーションを

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、リモート(遠隔)出演と呼ばれる手法を用いるテレビ番組が多くなった。その場合、出演者同士の発言が重なることがある。分割されたテレビ画面の中で譲り合う場面も多い。インターネットにおけるタイムラグの問題という以上に「場」を共有していないことが理由だろう。

 通常の会話は特定の空間の中で行われる。大きな会場でマイクを使う場合も同じだ。「今、ここで」という共通の前提があって会話は行われる。無論、4、5人の集まりでも発言が交錯することはある。コミュニケーションも、そうそうスムーズにいくとは限らない。

 それでも、手紙や電話などコミュニケーションの手段の中で「面談がコミュニケーションの王者」(佐々木隆著『伊藤博文の情報戦略』中公新書)との説は、今でも有効だ。同じ時間・空間の中での対話は強力だ。伊藤はコミュニケーションの政治家だった。

 無論、10分の面談で原稿用紙300枚に相当するその人物の情報を伝えることはできない。面談だから何でも可能とも言えない。

 それでも「現場百遍」という言葉が刑事の目標とされるのも、現場の空気感を感じることの重要性を物語る。事件後1週間が経(た)っても、その場所が持つ空気感は残っているからだ。

 感染症の流行で、現場を共有する機会は減った。となれば「王者」である面談に代わる手段を工夫してコミュニケーションを行うしかなさそうだ。

(サムネイル画像:Jagrit ParajuliによるPixabayからの画像)

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