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まだ秋と言っていい時期だが、俳句の歳時記…

 まだ秋と言っていい時期だが、俳句の歳時記で11月は「冬」になる。初雪や初霜の便りも届き始めている。

 水の冷たさを実感するこの頃、今年を振り返るのはまだ早いかもしれないが、記憶に残るのは台風による風水害が多かったことだ。気流子の故郷、福島を流れている阿武隈川(あぶくまがわ)の流域も氾濫によって被害が出た。

 この川は福島市を流れ、今では橋が架かっているが、場所によっては対岸に渡るための渡し場があった。川を境界線として風俗もやや異なっていたので、船で対岸に渡ることを冒険と感じていた少年時代を思い出す。

 川を隔てることによって、住む人々の意識が微妙に違っているのは、不思議な気もする。が、この世とあの世とを此岸(しがん)と彼岸と比喩(ひゆ)する表現があるから、人情風俗が違っているのも仕方がないとも言えよう。

 1939年のきょう、この福島市に生まれた詩人が長田弘氏。そのデビュー作は『われら新鮮な旅人』。長田氏は気流子の高校の先輩で、所属していた文芸クラブの先輩でもあった。長田氏の詩に初めて触れた時の衝撃は忘れられない。それまでの詩の言葉とは違い、新しい時代の開幕を告げるような鮮烈なイメージを抱いたものである。

 昭和から平成、そして令和時代。新しい時代を生きるということは、旅人が旅をするようなものかもしれない。きょうは令和時代の天皇、皇后両陛下の即位パレードが行われる日。新しい時代の到来を一国民として祝賀したい。

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