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恒例の「国語に関する世論調査」(文化庁)…

 恒例の「国語に関する世論調査」(文化庁)で、今年は「言わずもがな」が取り上げられていた。とうに忘れた表現だったので、不意を突かれた。「結果は『言わずもがな』」というふうに使われるが、聞いたこともない人が25・6%、聞いたことはあるが使わない人が54・9%、使うことがある人は18・5%だった。

 「言わずもがな」は「言うまでもない」の意味だ。21世紀の今、この表現を18・5%(ほぼ5人に1人)の人々が使っているのが不思議な気もする。

 「聞いたことはあるが使わない」が過半数を占めるのは、それはそれで納得できる。死語とまでは言えないが、近々そうなる可能性が高い。さりとて、この表現が死滅するのを歓迎する気もない。

 辞書には「『がな』は願望を表す」と註(ちゅう)が載っている。現在、「言わずもがな」以外で、願望を表現するのに「がな」を用いる人はいないだろう。

 「適当」という語も、昔は「適切」の意味だったが、今は「いい加減」の意味で使われることが多い。もっとも、辞書では「適切」が先で「いい加減」が後になっているケースが目立つ。「適切」が本来の意味との認識はしっかり残っている。

 ところが先日、ある古典学者の本(1967年刊)を読んでいると「いい加減」の意味で「適当」が使われていたのを発見した。半世紀以上も前から、「適当」が今使われているのと同じ意味で、厳格な国文学者によって用いられていたのには驚いた。

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