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ノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰旭化成…

 ノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰旭化成名誉フェローの話題に隠れたわけではないだろうが、次の日に発表されたノーベル文学賞の受賞者がなかなか報じられなかった。インターネットでようやく「村上春樹さん、受賞を逃す」という記事を読むことができたぐらい。

 村上氏はこの十数年、有力な候補として毎年挙げられながら、受賞を逃すことが恒例行事のようになっていた。しかし、今回は2018年を含めて2人の受賞者が出るから「もしかすると」という気がしたことは確か。

 世界的な人気と実力のある作家であることは、チェコのフランツ・カフカ賞、米国の世界幻想文学大賞、イスラエルのエルサレム賞、デンマークのアンデルセン文学賞など、世界各国の数多くの賞を受けていることから理解できる。

 日本人でノーベル文学賞を受賞したのは、川端康成、大江健三郎の両氏。大江氏の受賞理由は、表現力とともに「現代人の苦悩を表現している」として問題意識を評価されたことである。

 村上氏の場合、表現力が優れていることは間違いないが、「現代人の苦悩」のような問題意識、社会や国家に対するメッセージ性というのは希薄と言っていいだろう。そのあたりが、なかなか受賞できない理由かもしれない。

 「たかが文学賞、されど文学賞」。作品の芸術性だけではなく、文学以外の政治、社会的な評価が考慮されるのがノーベル文学賞ということなのだろうか。

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