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明治・大正期の人たちは、電気で動く機械を…

 明治・大正期の人たちは、電気で動く機械を不思議がって、その名称の頭に「自動」という語を付けた。自動車はすぐ思い浮かぶが、自動電話(今の公衆電話)、自動活動写真機(1銭銅貨を入れて数コマの動画を見られる機械)といったものも。

 「機械がひとりでに動くということが珍しくて、不思議でたまらぬという時代である。だから、何にでも自動という名をつけたのだろう」(日影丈吉著「飾燈」)と、当時の人々の高揚感について書いている。

 大正期からほぼ100年経て、今やAI(人工知能)や高性能コンピューターが登場し、従来の機械のイメージを一新。「時代はめぐる」というが、最新機器への人々の期待と不安の眼差(まなざ)しは、案外、文明開化期のそれと似通っているのではないか。

 100年前の機械の印象が「自動」であれば、今のAIやロボットのそれは「分身」だと指摘する専門家がいる。制御技術が進んで、例えば名医が何百㌔も離れた所で、手元でするように遠隔手術を行うことが間もなく可能になるという。

 トヨタ自動車は来年の東京五輪・パラリンピックに向け、大会マスコットの小型ロボットを計10体程度製造し、大会関連施設などに置く計画だ。

 小型ロボットを動かすと、遠隔操作で競技会場の人型ロボットが「分身」として同じように動いて、選手に手を振ったり、握手したりすることができる。東京五輪は日本の技術を世界にPRする場でもあるようだ。

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