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知的財産の帰属をめぐって、大国間で熾烈な…

 知的財産の帰属をめぐって、大国間で熾烈(しれつ)な争いが続いている。日本にとっても対岸の火事ではない。政府は今秋から知財の活用に詳しい専門家を大学に派遣し、バイオや人工知能(AI)など先端分野の特許取得を支援する方針を固めた。

 米中に比べ科学技術の研究力に陰りが見える時だけに、大学の知財の特許取得強化は望ましい。知財は、企業の実用化研究を経て、産業化され、実となる。知財の保護についてわが国の大学は取り組み不足だ。

 米国や中国は、大学や個人から知財が生み出されることが多いが、わが国の場合、98%が企業から。大学に知財が乏しいわけではなく、特許申請の意識が低いため、知財が埋もれてしまっているからだ。

 日本の国立大学は、今世紀の法人化により、産業界との連携を始めているが、それまでは大学の研究者が産業界と関わりを持つのを嫌った。反産業界の方向を言い立てた左翼学生運動の影響が今に残っている。

 研究者1人当たりの研究費で、日本とあまり差のないドイツ。今も科学技術の競争力を保っているのは、必ず大学のそばに大学院生が企業の実用化研究を受け持つことのできる研究所があって産学協同を進めているからだ。

 大学は知財管理について、企業のノウハウを知る必要もある。「大学の緩い管理の隙を狙い、海外から研究生や留学生が入ってくる可能性がある。管理の現状に危機感を持たないと、状況は変わらない」と憂う専門家もいる。

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