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  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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    蒲生健二
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    丹羽 文生
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    太田 正利
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    新宿会計士
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    渡瀬 裕哉
    渡瀬 裕哉
    早稲田大学招聘研究員

    ネパール、湾岸、日本 数字の裏のそれぞれの問題

    yamada

     

    「ネパール人労働者の最低賃金が内国人と同額の国は、日本とマレーシアだけだ」

     ネパールのヒマラヤンタイムズ紙が先ごろ、ネパール人労働者が多い国々での最低賃金(月額ドル換算)を比較し、こう書いた。日本は今年度からの特定技能枠導入=外国人労働者受け入れ拡大で、ネパールとも3月に合意を結んだばかりだが、全国平均最低賃金は月額2088㌦でネパール人も同額だ。マレーシアでも同じだが265㌦と低い。韓国では内国人1768㌦に対しネパール人1528㌦、イスラエルでは1472㌦対800㌦。湾岸諸国のカタール、アラブ首長国連邦、バーレーンは、内国人の最低賃金は不定だが、ネパール人は各330㌦、300㌦、265㌦で、数分の1~数十分の1と推定される。カタールは、過去5年間に賃上げを訴えたネパール人350人以上を追放した。

     数字を一瞥(いちべつ)し、日本人としては胸を張りたくなる。欧米の潮流に逆行し、少子高齢化日本が外国人労働者受け入れの門を広げる。相対的に高く平等な賃金で。脱差別である。

     私は難民申請中の外国人と話す機会が多いが、すでに今、関東の工場で働くネパール人が20万~25万円の月収を得ている。国にいた時の20倍という。

     だが一瞥の後、数字の裏側の厳しい問題を考えてしまう。まずは、ネパールの絶対的貧困だ。1人当たりGDP(国内総生産)はやっと1000㌦を超えたが、アジア25カ国・地域のビリ。失業率は40%にも上る。毎日約1700人がほぼ労働目的で国を出る。労働者の本国送金が国のGDPの3分の1を占める。もぐりの出稼ぎも多い。年間数千人もの婦女子が人身売買されてもいる。

     13年前まで共産党毛沢東主義派の武力闘争による内戦が続いた。現在は同派の主流派を含む共産党が政権を握るが、分派がまだ事件を起こしている。15年の大地震からの復興も滞る。

     湾岸諸国の問題も根深い。最低賃金未定も国際労働機関(ILO)勧告の無視である。昨年ネパール政府は、過去9年間に自殺650人を含む5892人のネパール人労働者が外国で死んだと発表したが、うち3578人が湾岸6カ国だ。乾いた酷暑の中、内国人のやらない重労働に従事しての病死、事故死、自殺が多い。

     また16年にネパール政府は、性的虐待の多発を理由に、家事労働目的の女性の湾岸行きを禁じた。でも湾岸諸国は、国際イメージなど気にしない様に見える。

     そして日本も課題が幾つかある。昨年の在留外国人労働者146万人のうち、ネパールは国籍別で5位、8万1562人。留学生や難民申請者などの資格外労働者が80%に上る。

     実際、在留留学生数ではネパールは3位、難民申請者数では1位だった。働くための留学や難民申請が多いのだ。日本側にとにかく留学生をかり集めたい学校がある。ネパール側で斡旋(あっせん)ブローカーが介在し、高額の手数料で若者たちに100万円もの借金を背負わせ、「日本ではバイトが沢山できるから」と言って送り出す。彼らの事務所は首都に100軒以上もあるとか。悪質ブローカー排除は絶対必要で、日本も尽力すべきだ。

     日本人の若者の「しんどい仕事」離れを変えられるか。事業者が外国人技能実習生を単なる安い労働力として使ってきた様な“勘違い”を無くせるか。特定技能者への平等賃金を完全実行できるか。

     ネパールの日本行き希望者は一層増えるだろう。彼らとウィン・ウィン関係を築き、最貧国支援、人種・宗教差別ゼロ社会のモデルを示したい。そうなれば本当に胸を張れる。

    (元嘉悦大学教授)

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