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憲法違反の女性限定大学教員公募は亡国の道

 かなり以前からあったようだが、女性限定の大学教員の公募が目に付く。最近では茨城大学の公募がJREC-INという学術関係者の求職・求人サイトから送られてきた。
https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=4&id=D120071134&ln_jor=0&top_btn=1

https://www.ibaraki.ac.jp/uploads/saiyo1_rigaku_20200715.pdf

 上記のPDF公募書類に「フィールドサイエンス担当教員(女性限定)」とあるのだが、その記述のどこを読んでも女性でないとできない職務はない。大学教員なので当たり前のことであるが。厚生労働省の以下のサイトの24ページには、第8条として例外措置の記述があり、女性の比率が4割以下の場合に女性のみを公募・採用することができるとある。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000212706.pdf?fbclid=IwAR2vx-oYseroyY6OjbX2V-ERn7sgo0M1oBvT0V3EPYMwOYbRci855pkPh7w

 しかし、この男女機会均等法は日本国憲法違反だと思う。憲法のどこに、ある状況下では、男女に機会均等ではなく、女性のみに機会を与えてよいと書いてあるのか? 憲法が定めるのは、機会均等であって、結果均等ではありません。あらゆる職に男女が同数いるのが男女平等だなどとだれが考えたり決めたりしたのか?

 結果として女性が少なくなる理由はいくらでもあります。その職が女性に向かないとか好かれないとか、応募資格のある技能を持った人に女性が少ないとかだ。大学教員の場合、博士号保持者には男性が圧倒的に多いので、女性が少なくなるのは子供でも分かる論理だ。ちょっと古いが、以下の文科省の報告書の15ページから男女比の統計がある。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu10/toushin/__icsFiles/afieldfile/2009/05/18/1260184_1.pdf

 この報告書の18ページには大学教員の分野別の男女比の統計もある。自然を扱う科学技術分野に男性が多く、人間を扱う人文・保健・家政・教育系に比較的女性が多いのは、男女の個性を表すもので、うなづける。19ページにある学部学生・院生の男女比統計も同じ傾向を示す。つまり、我々が学校で経験したように、好きな学科や得意な学科には男女差があり、また学力が伸びる年齢にもずれがあり、小中で理数系が得意だった女子たちが中高では男子に抜かれることは有意にあったと観測する。

 平成20年の時点で女性研究者は13%だが、2019年には17%くらいになったようだ。

https://www.mext.go.jp/kids/find/kagaku/mext_0004.html

 同じサイトに、各国の比較があり、韓国と並んでかなり低い女性比率であり、もっと女性研究者を助成していく必要があると主張しているが、いったい外国に合わせることが日本の発展や日本国民の幸福につながると誰が言ったのか? 日本には日本の文化があるのではないか?

 もちろん、多様な人種が集まる米国を参考にすべきだという人もいるだろう。確かに私の働くブラウン大学に入学する学生は男女が同数か女子が多めの時もある。しかし、米国の事情はまた違うのである。高校で落後して卒業できない男子が有意に多いのである。また、受験がないとか、面接を全員にするとか、あらゆることが違いすぎる。

 就職状況も全く違う。人種のるつぼである米国がやってきたことは、何割を女性にするとか、ある人種にするとかいう結果割当制ではなく(憲法違反)、候補者の中での男女比や人種構成が偏らないようにすることを最大限努力する程度である。女性や少数人種を優先するAffirmative Actionがあるが逆差別問題が多く、8つの州では禁じられている。

 日本の多くの企業には企業文化として女性が働きにくい環境もあるかもしれない。しかし、大学教員の場合、多くは自分で独立性のある研究室を構えるのが普通で、多くの会社のように上司が男性ばかりだから女性がやりにくいとか、セクハラを受けやすいとか、体力的に仕事がきついとか、女性にとって逆境はあまりないと思われる。なのに女性教員が少ないのは、上述のように別の理由があるのではないか?

 女性の博士課程修了者が全体の3割しかいないことと、普通は27歳くらいになると結婚を考える女性も多く、出産・子育てにおいて男性はほぼ女性にはかなわないことと、女性の価値観などを考えると、現在の状況に大学の採用や雇用において男女差別があるとは思われない。

 とにかく、こんな違憲法律を定めて、学者たるものが盲目的にそれに従って大学教員の公募をしているような国は滅んでしまう。特に科学技術力において頭脳流出を加速させ、形だけの男女均等に見える社会にしたら、職場を奪われる男性も、適しない職に駆り出される女性も、母親が十分に存在しない家庭に育つ子供も、皆迷惑する。

 真の男女平等とはなにか、大学の学者たちがわからないはずがない。文科省とかの役人の言うことがおかしいとわかっていても、自分の職の安泰や世間体を考えて従うような大学は、実は、優秀な学生や研究者が行くべきところではないのかもしれない。私は手遅れで必要な時だけタダ働きさせられるだけだが、海外流出したまだ若き優秀な研究者たちが帰国して、母国日本の発展に貢献できることを望む。

(2020年7月23日記)

(サムネイル画像:https://jrecin.jst.go.jp/サイトより)

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