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なぜ法輪功学習者を迫害するのか

 当方が知る限り、法輪功は気功集団であって宗教団体ではない。心身の健康を維持、促進のための修錬法と受け取っている。それに対し、中国共産党政権は20年以上、激しい弾圧、迫害を繰返してきた。法輪功の情報を伝える「明慧ネット」によると、今年上半期だけでも少なくとも63人の学習者が殺されている。

法輪功メンバーたちのデモ行進(2015年9月19日、ウィーン市内で撮影)

法輪功メンバーたちのデモ行進(2015年9月19日、ウィーン市内で撮影)

 中国共産党は無神論唯物主義を信奉する。だから神や仏を信じる国民は反国家的な存在であり、その団体、組織は反体制派と受け取られ,危険視されてきた。実際、習近平国家主席は「宗教の中国化推進5カ年構想」(2018年~2022年)を推進中だ。誤解しないでほしい。「宗教の促進」5カ年計画ではなく、「宗教の中国化」推進5カ年計画だ。宗教者に信仰を捨てさせ、共産主義思想、中国共産党の教えに忠実であるべきだと檄を飛ばしてきた。

 現地から流れてくる情報によると、キリスト教会の建物はブルドーザーで崩壊され、新疆ウイグル自治区ではイスラム教徒に中国共産党の理論、文化の同化が強要され、共産党の方針に従わないキリスト信者やイスラム教徒は拘束される一方、「神」とか「イエス」といった宗教用語を学校教科書から追放するなど、弾圧は徹底している。14億人の人口大国中国を残された数少ない未開発の宣教地と考えてきたローマ・カトリック教会の総本山バチカンは、中国共産党政権に騙され、司教の任命権を奪われている有様だ(「バチカンは中国共産党に騙された!」2021年2月17日参考)

 共産主義は「宗教はアヘン」として糾弾し、迫害してきた。しかし、法輪功は、繰り返すが宗教ではない。それではなぜ中国共産党政権は法輪功学習者を敵視し、迫害し、拷問し、生きたままでその臓器を摘出し、最後は殺してしまうのか。なぜ中国共産党政権は法輪功をそれほど敵視するのか。その答えは、法輪功学習者の数が共産党党員の数を凌ぐほど国民各層に広がってきたからだといわれる。

 中国共産党の党員数は約9000万人と推定されている。実数はそれよりかなり少ない。一方、李洪志氏が中国伝統修練法の法輪功を世界に広げ、現在、世界100カ国以上にメンバーを有している。法輪功学習者は1990年頃から急増、学習者は一般の国民のほか、共産党高官にまで広がっていった。

 それに危機感を持ったのが江沢民国家主席(当時)だ。法輪功を壊滅する目的で「610公室」を創設して、法輪功集団の組織的な迫害を開始した。「610」という数字は同公室が1999年6月10日に設立された日付に由来する。旧ソ連時代のKGB(国家保安委員会)のような組織だ。法輪功メンバーの取締りを目的とした専門機関だ。

 610公室は超法規的権限を有し、法輪功の根絶を最終目標としている。610公室のメンバーは都市部だけではなく、地方にも派遣されている。そればかりではなく、海外の中国大使館にも派遣され、西側に亡命した法輪功メンバーの監視に当たってきた(「中国の610公室」2006年12月19日参考)。

 シドニー中国総領事館の元領事で2005年夏、オーストラリアに政治亡命した中国外交官の陳用林氏は当方とのインタビューの中で、「共産党はこれまでに8000万人の同胞を殺害した。党幹部ですら、もはや共産主義を信じてはいない。かつては、海外訪問した時、その名刺に『中国共産党中央委員会第一書記』など肩書が誇らしく印刷されていたが、現在はどこそこの『会社総支配人』とか『マネージャー』といった肩書が書かれている。彼らは体制の危機を感じているため、資産を海外に密かに移したり、いざという場合に備え、2つの旅券を所持している。共産党からは大量の党員が離党している」と証言している(「中国高官の『ゴールデンパスパート』」(2020年8月31日参考)、「中国党幹部の楊潔篪氏は『裸官』?」2021年4月16日参考)。換言すれば、共産党の党員数は減少傾向が見られる一方、法輪功学習者の数は急増してきている。共産党一党独裁の中国共産党政権は法輪功をライバル視し、恐れてきたわけだ。

 海外中国メディア「大紀元」(7月4日)は法輪功学習者の迫害状況を詳細に報じた「明慧ネット」の記事を紹介している。「大紀元」によると、当局で殺害された法輪功学習者の地域は14の省・自治区・直轄市まで広く分布しており、いまもなお全土で弾圧が継続している。犠牲者の中には軍人、教師、党幹部、エンジニア、会計士などのエリートが含まれている。

中国共産党政権下で実施されている拷問のイメージ図(明慧ネット)

中国共産党政権下で実施されている拷問のイメージ図(明慧ネット)

 「大紀元」には法輪功学習者への迫害、拷問状況を描いた「明慧ネット」のイラストが転載されている。同イラストには痛々しい拷問シーンが描かれている。中国共産党当局は同胞の国民を共産党にとって敵対勢力という理由だけで拷問し、「「保証書(法輪功をやめる保証書)」を書くことを拒んだ国民を殺してきたのだ。

 中国共産党政権は「人権は内政問題」として外部からの批判を一蹴するが、人権は普遍的権利だ。如何なる国民にも人権は保障されなければならない。人権を蹂躙する中国共産党政権の言動には悪魔の発露を感じてしまう。中国共産党政権には世界の指導国家としての資格はない。

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