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新型コロナを「中共ウイルス」と呼ぶ

 中国共産党政権はトランプ米大統領が中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルス(civid-19)を「中国ウイルス」と呼ぶことに激怒し、何度も訂正を要求してきた。ポンぺオ国務長官は「武漢ウイルス」という呼称を記者会見などで連発し、中国共産党政権をイライラさせている。

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「中国共産党の党旗」(中国共産党公式サイトから)

 米国側の「中国ウイルス」や「武漢ウイルス」は、世界に2万人以上の死者を出している新型肺炎の発生地が「中国」であること、湖北省の「武漢市」であったという事実を忘れないため、という狙いがあるだろう。一方、その呼称に激怒している中国共産党政権側は、「世界を大混乱に貶めた新型コロナが中国から発生した」という事実を出来れば隠蔽したいため、「わが国のイメージダウンをもくろんだプロパガンダ」と反論している。米国がそれでも応じないので、「武漢発の新型肺炎は米中央情報局(CIA)がわが国を陥れるためにやった」というフェイクニュースを流し始めてきたわけだ。

 ちなみに、怒るという心的作用は、その内容が見当はずれの場合は出てこない。笑うか、無視するだけだ。中国共産党政権が本気になって怒っているところをみると、「中国ウイルス」、「武漢ウイルス」という呼称が核心を突いているからだろう。

 当方はこのコラム欄では「武漢肺炎」、「武漢ウイルス」という呼称を使用してきた。米中間の新型肺炎の呼称で対立しているのを見て、考え直すべきだと思っている。ズバリ、「武漢肺炎」では武漢市民にとって気分が悪いだろうし、「武漢ウイルス」でも同様だ。ひょっとしたら、風評で経済的、精神的ダメージを受けるかもしれない。だから「中国ウイルス」と呼ぶトランプ氏の呼称のほうがベターかもしれないが、「中国ウイルス」では十数億人の中国人を傷つける結果とならないだろうか。

 当方はこのコラム欄で「『中国共産党』と『中国』は全く別だ!」(2018年9月9日参考)というタイトルの記事を書いた。中国共産党は久しく、「中国共産党政権を批判することはとりもなおさず中国を批判することだ」と主張し、「中国共産党」イコール「中国」と強調、現政権を批判する声には、“反中国”ジャーナリスト、知識人というレッテルを貼ってきた。中国共産党は長年「中国と中国共産党は同一の存在だ」と嘘、偽りを発信し続け、中国国民を欺き、全世界を騙してきたわけだ。

 中国国内でみられる人権弾圧、少数民族の弾圧は中国共産党政権が行っていることだ。大多数の中国国民は共産党政権の強権政治の犠牲者だ。だから、中国を批判する場合、単に「中国」とは書かず、「中国共産党政権」と明記し、その責任の所在を明らかにしなければならない。

 東日本大震災(2011年3月)から今年で9年が過ぎたが、福島第一原発事故と関連し、福島産の野菜などが原発事故で放出された放射能に汚染されている、といった風評を受け、農業者を悩ませている。同じように、「チェルノブイリ原発事故(1986年)後、ウクライナといえば、世界の人々はチェルノブイリの名前しか浮かび上がらなくなった」と、ウィーン大学で教鞭を取っていたウクライナ人教授が嘆いていた、と聞いた。

 「武漢ウイルス」という呼称が新型肺炎の終息後も定着すれば、同市のイメージは傷つき、市民も気分が悪いだけではなく、経済的なダメージを受けることにもなる。そこで考え出した呼称は、「中共ウイルス」だ。新型肺炎が発生したのは中国であるという事実を意味する「中」と、新型肺炎の発生を隠蔽してきたのは武漢市共産党、ひいては北京の中国共産党政権だったという意味から共産党の「共」と結びつけ、「中共ウイルス」という呼称が生まれてくるわけだ。

 「中共ウイルス」と呼ぶべきだという主張は海外中国メディア「大紀元」(3月19日)も同じだ。「新型コロナウイルスを『中共ウイルス』と呼ぶ理由は、中国国民、湖北省の住民、武漢市民を中国共産党と区別するためである」と説明している。中国国民、武漢市民は今回のパンデミックの被害者である一方、中国共産党は世界各国を未曾有の大災難に陥らせた加害者だというわけだ。正論だ。

 中国共産党政権はトランプ大統領の「中国ウイルス」という呼称に怒ってきたが、「中共ウイルス」という呼称が世界のメディアで定着すれば、それどころでは済まないだろう。大声をあげて世界に向かって米国批判を強めるかもしれない。

 「中共ウイルス」という呼び名は新型肺炎の責任の所在地を明確に表示している。新型肺炎が世界的大流行(パンデミック)となって多くの死者が出た最大の責任は中国国民にあるのではなく、中国共産党政権にあることを改めて確認したい。

(ウィーン在住)

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