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    河添 恵子
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    宮本 惇夫
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    中村 仁
    元全国紙経済記者
    石平
    石平
    評論家

    人類初の月面着陸50周年を迎えて

     米国のアポロ11号が人類初の月面着陸し、帰還してから今月20日で50年目を迎える。米国だけではなく、全世界で人類の宇宙への扉を開いたアポロ11号の快挙を祝うイベントが行われる予定だ。

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    人類初の月着陸に成功したアポロ11号 NASA公式サイトから

     米国の月面着陸飛行計画を最初に公にしたのは第35代米大統領のジョン・F・ケネディ大統領だ。同大統領は1961年1月の就任から4カ月後の同年5月25日の議会の演説で「1960年代終わりまでに人類を月に送る」と宣言し、議会に220億ドルの予算を充てるように要望した。ケネディ大統領の宣言から8年後、その夢が実現したが、肝心のケネディ大統領は1963年11月22日、暗殺され、アポロ11号の快挙を目撃できなかった。

     ケネディ大統領が月面着陸計画に拘ったのには理由がある。米国は当時、宇宙開発競争でソ連に遅れを取っていた。人類初の人工衛星という名誉はソ連のスプートニク1号が1957年10月4日に獲得し、61年4月には人類初の有人地球周回飛行を成功させた。

     宇宙開発でソ連に敗北を喫してきた米国はケネディ大統領が登場すると、「ソ連に先駆けて60年代終わりまでに月に人類を送る」とソ連に対し挑戦宣言したわけだ。

     ちなみに、「人類を月に送る計画」を発表したケネディの議会演説は同年1月の大統領就任式演説と共に名演説といわれてきた。若い米大統領には宇宙開発競争でソ連に敗れたくない、米国は世界一でなければならない、という燃えるような熱意とニューフロンティア精神があったのだろう。

     アメリカン・ファーストを選挙戦のキャッチフレーズに大統領選に勝利したトランプ氏は決して米国をグレートにすると叫んだ最初の米大統領ではなかった。両者の違いは大統領に就任した時、ケネディは43歳、トランプ氏は70歳だったという年齢の違いだけだ。米国の大統領に選出された政治家は、米国を世界一、グレートな国にしなければならない宿命を背負っているわけだ。

     興味深い点は、月面に着陸し、帰還したアポロ宇宙飛行士の「その後」の歩みだ。「宇宙からの帰還」(中公文庫)というタイトルの立花隆氏の著書には詳細に描かれている。宇宙飛行から帰還した宇宙飛行士でアポロ15号のジェームズ・アーウイン宇宙飛行士はその後、牧師になっている。

     アポロ11号でニール・アームストロング船長が人類初めて月面に足を下ろし、ハズ・オルドリン飛行士は月着陸船操縦士として人類2番目のムーンウォーカーとなった。アームストロング船長が月面に足を踏み入れた時のコメントは世界に報じられた。

     「That’s one small step for [a] man, one giant leap for mankind.」(これは1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)。

     ちなみに、1961年、世界初の有人宇宙飛行に成功したユーリイ・ガガーリン大佐はボストーク1号から眺めた地球を見て、「地球は青かった」と述べたことが伝わると、その地球に住む人々に言い知れない感動を与えた。美しい地球に私たちは住んでいるのだ、という感謝の心すら湧いてくるからだ。

     ガガーリン大佐が「私は周りを見渡したが神はいなかった」と述べたという話は聞くが、それは宇宙飛行後に語ったものだ(「なぜ人は天を仰ぐのか」2015年10月10日参考)。

     なお、人類の宇宙時代を切り開いた2人の英雄、ガガーリン大佐は1968年3月27日、墜落事故で34歳の若さで死亡している。一方、アームストロング船長は2012年8月25日、82歳で病死した。

     人類初の月着陸から50年が経過するが、いよいよ宇宙旅行時代が到来してきた。特別訓練を受けた宇宙飛行士だけが宇宙に出かける時代から、一般の人間が宇宙に旅する時代だ。リチャード・ブランソン氏が設立したヴァージン・ギャラクティック社は宇宙旅行ビジネスを、アマゾンの創設者ジェフ・べゾス氏の「ブルー・オリジン」社は2024年までに有人月旅行を、電気自動車テスラのイーロン・マスク氏が宇宙輸送を業務とするスペースX社を立ち上げるなど、世界的投資家たちが次々と宇宙旅行を目指して走り出している。

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