■連載一覧
  • 米大統領選まで1年 トランプ政権の攻防
  • 新閣僚インタビュー
  • 何処へゆく韓国 「親北反日」の迷路
  • 令和参院選 注目区を行く
  • 2019/11/04
  • 2019/10/08
  • 2019/7/18
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  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
  • 戦後70年 識者は語る
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  • 2014/1/06
  • 香港憤激 一国二制度の危機
  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
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  • 中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風
  • 危機のアジア 識者に聞く
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  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
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  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
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  • ムスリム同胞団とアラブ モハメド・F・ファラハト氏に聞く
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
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  • 新閣僚に聞く
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  • 「赤旗」役所内勧誘の実態
  • 憲法改正 私はこう考える
  • 衆院選大勝 安倍政権への提言
  • 2017衆院選 国難と選択
  • 新閣僚に聞く
  • 第3次改造内閣 信頼回復へ始動
  • ’17首都決戦
  • 施行から70年 憲法改正を問う
  • どうなる「民共協力」 27回共産党大会の焦点
  • 蓮舫民進 疑問の船出
  • 新閣僚に聞く
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  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
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  • 第3次安倍改造内閣スタート
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  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
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  • '18沖縄県知事選ルポ
  • 歪められた沖縄戦史 慶良間諸島「集団自決」の真実
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  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 金正恩体制を斬る 太永浩・元駐英北朝鮮公使に聞く
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  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
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  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
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  • 米中新冷戦 第2部 中国・覇権への野望
  • 米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国
  • 検証’18米中間選挙
  • 米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流
  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米国の分断 第1部 断罪される偉人たち
  • 「米国第一」を問う トランプを動かす世界観
  • トランプのアメリカ 就任から1年
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  • トランプ政権始動
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
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  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
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  • オバマ外交と次期米大統領の課題
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  • オバマの対宗教戦争・第1部
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    安東 幹
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    坂東 忠信
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    古川 光輝
    古川 光輝
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    細川 珠生
    細川 珠生
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    井上 政典
    井上 政典
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    伊勢 雅臣
    伊勢 雅臣
    「国際派日本人養成講座」編集長
    河添 恵子
    河添 恵子
    ノンフィクション作家
    宮本 惇夫
    宮本 惇夫
    企業・経営
    中村 仁
    中村 仁
    元全国紙経済記者
    石平
    石平
    評論家

    行方不明となった「神」を探せ!

     カナダの主要先進諸国会議(G7)、シンガポールの米朝首脳会談、そしてモスクワのサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕と重要なイベントが5月から6月にかけ立て続きに開かれ、それをフォローしてきたので書きたいテーマは後回しになってきた。テーマは「神の不在」から、「去ってしまった神(行方不明の神)」探しという問題だ。

    700

    天の川銀河の中心部に発見されたブラックホール・バウンティ NASA提供

     神の不在論は神学界でも大きなテーマだ。多くの宗教家、神学者が考えてきた。日本の読者には最近映画化され欧州でも話題となった遠藤周作の名作「沈黙」を思い出してもらえばいい。迫害され、虐待されるキリスト信者の魂からの叫びだ。「あなたはどこに居ましたもうか」だ。

     当方は「『神の不在』に苦悩した人々」2011年8月18日参考)で「人間の苦痛」と「神の不在」について、過去の哲学者、宗教家、神学者のアプローチを紹介した。

     ギリシャの哲学者エピクア(紀元前341~271年)は、「神は人間の苦しみを救えるか」という命題に対し、「神は人間の苦しみを救いたいのか」「神は救済出来るのか」を問い、「救いたくないのであれば、神は悪意であり、出来ないのなら神は無能だ」と述べている。紀元前の哲学者が「神の不在と人間の苦痛」をテーマに既に死闘していたことが分る。

     最も辛辣な見解は「赤と黒」や「バルムの僧院」などの小説で日本でも有名な仏作家スタンダール(1783~1842年)だ。彼は(神が人間の苦痛を救えない事に対し)、「神の唯一の釈明は『自分は存在しない』ということだ」と主張した。

     ポルトガルの首都リスボンで1755年11月1日、マグニチュード8・5から9の巨大地震が発生し、同市だけで3万人から10万人の犠牲者を出し、同国で総数30万人が被災した。文字通り、欧州最大の大震災だった。その結果、欧州全土は経済ばかりか、社会的、文化的にも大きなダメージを受けた(「大震災の文化・思想的挑戦」2011年3月24日参照)。

     仏哲学者ヴォルテール(1694~1778年)はリスボン大震災の同時代に生きた人間だ。彼は被災者の状況に心を寄せ、「どうして神は人間を苦しめるのか」と問いかけ、「神の沈黙」を嘆きだ。

     最近の例を挙げてみよう。世界に親しまれていたカトリック教会修道女テレサは貧者の救済に一生を捧げ、ノーベル平和賞(1979年)を受賞、死後は、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の願いに基づき2003年に列福された。その修道女テレサが生前、書簡の中で、「私はイエスを探すが見出せず、イエスの声を聞きたいが聞けない」「自分の中の神は空だ」と述べている。

     コルカタ(カラカッタ)で死に行く多くの貧者の姿に接し、テレサには、「なぜ、神は彼らを見捨てるのか」「なぜ、全能な神は苦しむ人々を救わないのか」「どうしてこのように病気、貧困、紛争が絶えないのか」等の問い掛けがあったのだろう(「マザー・テレサの苦悩」2007年8月28日参照)。

     ところで、最近、ショッキングな命題に接した。「神は不在ではなく、去っていった」というのだ。無神論者も有神論者も常に「神」の存在を前提にその是非を考えてきた。アイルランド出身の劇作家オスカー・ワイルドは少々皮肉を込めて「放蕩息子は必ず(神に)戻ってくる」と書いている。すなわち、全ては「神」から始まり、「神」に戻ってくる。しかし「神は去った」は全く別次元の話だ。「神の館」にその主人、「神」がいないというのだ。

     「去ってしまった神」について、テキサス出身の説教師ジェシー・カスターを主人公とした米TV番組「プリーチャー」(Preacher)や長期連載TV番組「スーパーナチュラル」(Supernatural)でも既にテーマ化されている。「神は天国にもはやいない」「神はどこかへ行ってしまった」というテーマを扱っているのだ。

     聖書をみると、人類始祖アダムとエバの堕落、その後の世界をみて、神は「わたしは、全ての人を絶やそうと決心した。彼らは地を暴虐で満たしたから、わたしは彼らを地と共に滅ぼそう」(創世記6章13節)として40日間、洪水を起こす。神は第2のアダム家庭としてノア家庭8人を中心に再出発する。それでは、「去って行った神」はノアの時代のように第2の洪水を密かに起こす計画なのだろうか。

     宇宙には暗黒物質(ダークマター)が溢れ、誕生した星はブラックホールに吸収されて消滅していくように、聖書の「ヨハネの黙示録」が示唆するように、世界にはハルマゲドンが近づいてきたのだろうか、等々の思いが浮かび、消えていく。

     神の不在にはまだ余裕があった。神は必ず再び戻ってくる、という確信みたいなものがあったからだ。その神が去ったとすれば、その後の世界はどのなるのか。主人公が突然、舞台から姿を消したならば、その後の劇の運びはどうなるのか。「スーパーナチュラル」で天使カスティエル(Castiel)が「天国にはもはや誰もいない」と嘆く場面がある。

     「行方不明の神」はどこへ行ったのか。別の宇宙か、それともこの地上に降りてこられているのか。神の「不在論争」から一歩進んで今、神の「行方捜査」が大きなテーマとなってきているのだ。

    (ウィーン在住)

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