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在留外国人に狙われる国保―国民皆保険制度は早々に崩壊?

 知人の医者が、「明らかに観光客の身分で来た中国人が、保険を不正に利用して治療を受けたりしている。それから繁華街で夜に働いているアジア系、東欧系、南米出身の女子たちも、保険証の貸し借りをやっているって話。日本では近年、簡単に国民健康保険が手に入ることが問題」と吐露する。
かつてから偽造パスポートや偽装留学生、偽札や偽装カード、偽の履歴書、偽造書類、偽装結婚、偽装難民、不法滞在、闇労働、なりすまし、ペーパーカンパニーなど、中国人の処世術には「ニセ」「不法」「不透明」が十八番となっているが、いつしか日本の保険証の不正取得や悪用という手段も、そこに加わっていたのだ。
勢いづいたのは、民主党政権下で住民基本台帳法の一部が改正され、施行された平成24年7月9日以降、外国人が国民健康保険(国保)を手にするハードルが大幅に下がった時期からのようだ。
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 改正前は「1年以上の在留資格がある、または客観的な資料等により1年以上、日本に滞在すると認められる」ことが、外国人が国保に加入する上での要件だった。それが改正後は「3カ月を超える在留資格がある、または客観的な資料等により3カ月を超えて日本に滞在すると認められる」ことが加入の要件になった。改正により、「外国人登録法」が廃止され、「内外人平等との原則」のもとで日本人と同様に住民基本台帳の適用対象となる外国人住民の「中長期在留者」が、在留カード交付の対象者になった。

 出入国管理及び難民認定法は「中長期在留者」の定義を、「3カ月を超える在留資格がある外国人」と定めている。そのため、留学ビザや経営管理ビザ、就労ビザ、特定活動ビザなど、原則3カ月(90日)以上の日本滞在資格があるビザを持つ外国人は対象者なので、役所で在留カードを貰い、国保に加入する義務がある。

 もちろん、外国人が保険証を持つことに対して、頭ごなしに否定するつもりはない。だが、入管法の「中長期在留者」が、3年や5年以上ではなく「3カ月を超える」という定義であることから、たった3カ月しか滞在しない外国人にも、我々の血税が基礎となる「日本国民のための保険」を同等に使える制度に〝改悪″されていたのだ。
しかも、前年度に日本での収入が無ければ、保険料は最低額の月額4000円程度となるが、初来日で30歳以下の外国人だと1000円ほどで済むケースもあるそうだ。支払いが「義務」とはいえ、日本人の中にも経済的理由などから、長期滞納者は少なからずいる。だが、未払いの割合は外国人の方が高いのだ。

 友人の開業医は、「保険料の滞納の有無は、病院では分からない。それが本人の保険証かどうかも、他の身分証明書と併せて提示を求めることを通常しないから分からない。日本は基本、性善説で動いているからね」と苦笑する。

 居住実態がない中国人を国保に加入させたり、複数の保険証を持って使いまわしているブローカーや行政書士がいるとの話も報じられている。実のところ、中国の富裕層などが日本で受けたがっている治療は、癌免疫療法で注目されているオプジーボや、C型肝炎患者のためのハーボニーといった高額な新薬を使った治療と、移植医療などの先進医療が中心なのだ。
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 近年、こういった新薬を使った治療についての保険適用の範囲が広がり、さらに支払額に上限がある高額療養費制度が利用できる。自己負担限度額は所得により異なるが、70歳未満で低所得者(住民税非課税)の場合、月額の支払い上限が3万5400円で、年収が約370万円(標準報酬月額28万円以下)だと、5万7600円と定められている。
中国には、C型肝炎の患者が4000万人以上いるとされる。C型肝炎は肝臓癌を患うリスクも高い。そこで、中国国内で受けることができない最先端治療――C型慢性肝炎の完治すら期待される特効薬・ハーボニーを使った日本での治療を斡旋するブローカーが増えてきたというのだ。

 欧米で治療を受ける場合、完治までの滞在費を含めると1000万円以上かかる。ところが、日本ならば3カ月以上のビザを取得するなどして国保を持てば、ハーボニーは肝炎治療医療費助成制度の対象になっており、患者の自己負担限度額は、月数千円の保険料プラス診察費と月額1万円もしくは2万円を支払い3カ月間、「薬価ベースで約670万円」とされる超高額治療が受けられるようになったためだ。

 患者にとっては、まさに夢のようなホントの話である。
だが、容易もしくは不正に得た国保で、税金を食う最先端の高額治療を受けたい外国人が病院に押し寄せたら……。
先の医師の一人はこう語る。
「医者の立場では、全額自己負担だと取りっぱぐれるかもしれないので、国保を持っていればひとまず安全。不正を疑ったとしても見逃すしかない」
確かに、どこかの病院が不正使用の患者にNOを突き付けても、患者はしゃあしゃあと他の病院に行くだけのこと。根本的な解決にはならない。だが、〝タダ乗り″が急速にエスカレートすれば、財源は早々に枯渇しかねない。

 2015年度の医療費は概算で41.5兆円(前年度比1.5兆円増)と初めて40兆円を超えたことも分かり、13年連続で過去最高を更新している。「日本の財政は危機的な状態にある」などの声も出ている。厚生労働省が、国保加入や給付の際に、より厳正な審査や確認を行うなどの対応策の検討を始めたらしいが果たして……。

 友人の開業医は、「これまで国民皆保険が成り立ってきた前提は、医療費が入院と1回の手術と投薬で100万円単位という見積だったから。ところが超高額の新薬が開発され、治療方法も変わり、それが保険でも賄われるようになった。さらに外国人でも容易に国保を持って、同等の治療が受けられるようになるなど想定外。僕の意見だけれど、国保は日本国籍を持っている人だけの権利に戻すべき。さもなければ、早々に国民皆保険制度は崩壊するしかない」と危惧する。

 「上に政策あれば下に対策あり」が中国人のDNAだが、彼らはいつの間にか日本の手厚い医療制度まで研究し尽くし、しゃぶり尽くすゾンビになっていた。だが、相変わらず誰も大きな声を挙げない。こんな〝お客様ファースト″の国、地球上で間違いなく日本だけなのだ。

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