ワシントン・タイムズ・ジャパン

気候変動よりも深刻な「森林が減ってゆくこと」

物質を生み出せるのは「植物細胞」だけを知る

 森林が世界で急速に失われている。人類文明が始まる8000年前には60億ヘクタールあった世界の森林は、伐採や焼き畑、燃料用の消費などにより、その6割が失われ、現在、24億ヘクタールしか残っていないといわれる。

 森や植物が失われれば酸素も生み出されなくなり、人はもちろん生物は生存していくことはできない。人間は何でも生み出せるように勘違いをしているが、「科学の4原則」のとおり、私たち人間には物質もエネルギーも作り出せない、物質を作り出せるのは「植物細胞」だけである。

 植物細胞の「生きた集団」である森林の減少は、物質の減少を意味し、未来に向けて極めて深刻な事態だ。しかし、ビジネス界に身を置くほとんどの人はこの深刻な問題に気付く機会も、真剣に考える時間もなく、目先のことを考えるのが精いっぱいで、危機意識が乏しいのが現実だ。

世界の森林破壊が深刻になっている

 このままのスピードで森が減少していくと30数年ですべて消失するという研究者もいる。特に『地球の肺』ともいわれる、東南アジア(インドネシア、フィリピン)、南米(ブラジル)の熱帯雨林の被害は深刻で、あの広大なアマゾンですら砂漠化するという予測もある。

 熱帯雨林の減少によって生じる温暖化の原因でもあるCO2の増加は、世界の運輸部門の排出するCO2の量に匹敵する。熱帯雨林には地球上の生物の50~70%が生息しているが、1時間に平均4.6種のペースで生物が絶滅している。生物多様性の減少は人間への直接的な影響が大きくなることであり、現実の感染症の増加の背景になっている。

 呼吸は「生きる」上での基本であるが、その酸素を作り出すのは森林や植物であり、生態系の維持に欠かせない役割を担っている。しかし、快適な都市空間で生活しているために、自然環境の変化を感じる能力が劣化して、直面する問題について現実認識を持つことが難しい状況である。

「道徳を忘れた経済は、罪悪である。」~二宮尊徳

 現代社会、特に大戦後の日本も含め、世界経済はまさに罪悪であると言っていい。これまでの大国による覇権主義、利益追求の経済至上主義に支配されてきた時代が招いたものは、南北格差、テロの脅威、犯罪の増加、環境汚染、新しい感染症、さらに、人口の増加、食糧問題、水問題などだ。これらは生活の根本「生存」にかかわる大きな問題である。

 特に世界中で広がっている異常気象と大規模災害の発生による生命財産の持続性の危機は深刻である。
 これまで世界をリードしてきた西欧の思想は基本的に「競争関係で成り立っている」という考えである。私たち人間は自然を超えることはできない事実を再意識して、人間以外の自然界にある「共生」という普遍的なものに学ぶことが求められている。

経済を忘れた道徳は、寝言である~二宮尊徳

 日本には奈良の吉野や鎮守の森のように古くから森を畏怖し、守ってきた文化があり、森と共に暮らしづくりをしてきた。森や林業の持続的な付加価値の創出の中で、人間生活に取り入れて、より良い社会づくりに生かして育んできた文化がある。

 「人を含めすべての生物は森、自然のつながりの中で活かされている。地球や人類のために何ができるかという意識を私たち一人ひとりが持たなければ持続的な発展はありえない。

 持続可能な発展のキーワードは『共生』である。みんなと調和しながら、共存を目指す暮らしのスタイル、森と共に生きることのできる社会づくりの中にこそ、明るい未来がある。「自然の一員として、生かされている」という思想=「自然との共生社会」に不可欠な植物がモリンガである。人類の様々な問題解決に不可欠の樹木である。

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