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小池氏は日本を変えられるか?

小池百合子知事の人気が止まらない。

彼女の下で政治の勉強をする「希望の塾」には4827人の希望者が殺到した(入塾を認められた者は2902人)。この人数が如何に多いかは、あの橋下フィーバーの頃の維新政治塾でさえ、入塾希望者が3326人だったことと比較すると、一目瞭然だろう。

2020年の東京オリンピックを成功裡に終わらす事ができれば、2021年まで延命する公算の高い安倍政権を引き継ぐ可能性も見えてきたと指摘する評論家も少なくない。

小泉政権以降の日本の空気は、「今まで通りの自民党に未来を託すのは不安だが、左翼思想から抜けられない従来型野党は問題外」という国民の願いを受け取り、裏切り続けてきた。「自民党をぶっ壊す」と言った小泉総理だったが小泉氏が引退した後はいつもの自民党に戻り国民に政権交代を選択させた。左翼政党から抜け出すはずだった旧民主党も結局は労働組合の代弁者のままだったし、一時は総理の呼び声の高かった橋下徹氏率いる維新も近畿圏の外では国民の支持を得られないままだ、

そういう閉塞状況の中で、まさに政治への「希望」として登場したのが、小池都知事だろう。

だが小池氏は元キャスターではあるが、タレント弁護士から政界に転出し、タレントに戻った橋下氏と異なり、長年政界を生き抜いてきたベテラン政治家だ。しかも、細川護熙、小沢一郎、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三と次々と親分を渡り歩き、女性初の防衛大臣、女性初の自民党三役とのし上がってきた人物だ。

国民の期待の内容は、当然橋下氏とは異なる。

橋下氏に対する期待が、「とにかく今までの日本を全部ぶち壊して、何か新しい仕組みを作ってほしい」というある種ヤケクソの期待だとすると、小池氏に対する期待は、もっと知の足の着いた「膿を出しながらも、現実的な対応を取ってほしい」というものだ。

これは、両氏がトップに立った自治体の違いに起因する。

橋下氏がトップを務めた大阪府や大阪市は、財政状況は破綻寸前、犯罪率や失業率などの指数も全国最低レベルで、住民も「ヤケクソ」にならざるを得なかった。だから、どんな荒療治にも住民は拍手を送ったし、今なお関西、とりわけ大阪では維新人気は衰えていないのだろう。

しかし、東京の事情は全く異なる。財政状況に多少の陰りは見えるものの、今でも財政力指数は都道府県中一位だし、治安は首都としては世界トップレベルの良さだ。東京オリンピックという輝かしい未来もある。

東京都民は大阪府民、大阪市民のように「ヤケクソ」になる必要性などどこにもない。それでも小池知事に人気が集まるのは、東京ではなく日本全体に対する閉塞状況を打破して欲しいという願いからだろう。

従って、小池都知事が、
「日本の主流派に喧嘩を売りました」
「しかし、日本の主流派は頭が固くて、それを変える事はできませんでした」
「ただ、トップを務めた自治体は、こんなにダメな組織をこれだけ立派にしました」
というレベルの実績に終われば、維新人気が続く大阪とは異なり小池人気はあっという間に萎むと予想する。

現在、豊洲問題でやり玉に挙がっている石原慎太郎氏には、功罪様々あったと思うが、少なくとも「ディーゼル規制」「銀行への外形標準課税」など、東京から日本を変えた実績がある。

小池氏に求められるモノも、ただの喧嘩ではなく、東京から日本を変える事なのだ。

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