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日銀は沖縄の地方債を購入せよ

 毎年3000億円以上とも言われる沖縄への振興予算。沖縄県は、県民所得が他の都道府県と比べて非常に低く、税収も少ないため、沖縄県の予算は政府が分配する振興予算に依存している。沖縄問題に取り組む保守論客は全員がこの点を批判する。そして、「振興予算をカットせよ」という声が保守層を中心にして高まっている。しかし、振興予算をカットしたところで、沖縄の経済が疲弊してしまえば、革新勢力に利用され新たな沖縄問題を生むことになるだろう。

 さて、安倍政権は発足以降、アベノミクスという名の経済政策を行っている。とくに、画期的と言われたのは、日本銀行が国債を大量に購入し、マネタリーベースを増やし、インフレターゲットを狙って物価上昇を目指すというものだ。そして、政府は国債を発行する。デフレーションの経済状況において、正しい経済学(ケインジアン的な経済政策)に基づいた政策と言えるだろう。消費増税や緊縮財政への逆戻りは批判されるべきだが、当初のビジョンは評価されるべきである。

 本稿執筆時では、まだ日銀政策決定会合は開かれていないので、どのような金融政策を放つのかは、黒田日銀総裁のみぞ知るだが、私としてはマイナス金利の拡大など追加の金融緩和を期待している。そこで、提案なのは地方債の購入である。日本銀行は、インフレターゲットを達成するため、全国の地方債を購入すべきだ。北海道夕張市が破綻したのは記憶に新しいが、もし夕張市の地方債を日本銀行がすべて買い入れていたとしたら、破綻は免れていただろう。そして、夕張市は安心して歳出拡大による経済政策を行えたはずである。これと同じことを、沖縄県で実施してはどうだろうか。

 沖縄県の地方債は、平成28年度の計上額では800億円(沖縄県庁発表)だという。日本銀行は、兆単位の国債を購入しており、日銀当座預金残高も200兆円を超えている。それに比べて、800億円の地方債は日本銀行から見れば、全額購入しても大したものではないのである。ならば、買っておくに越したことはないし、リフレーション政策にもなる。沖縄県の地方債を全て日本銀行が購入すれば、財政規律をやみくもに厳しくする必要もないし、何よりも政府の振興予算もいらなくなる。その分を、本当にその分が必要となれば、地方債発行で賄えばよいのである。沖縄県民の低所得層に、「沖縄県が実施するヘリコプターマネー政策」ということも考えられるだろう。この経済政策が実施できれば、中国人観光客依存型の経済からも脱却できるし、なにより県民の消費を喚起することになる。日本銀行による沖縄県の予算のバックアップ。それが確立されれば、また、アベノミクスの一環となれば、政権への意識も変わるのではないだろうか。

 月末の日銀政策決定会合で、地方債の購入という追加金融緩和が決定されれば、道が開けてくる。

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