ワシントン・タイムズ・ジャパン

地球の未来はあなたの行動で決まる

■状況は「待ったなしの状況」なのに
 産業革命以後の急速な地球環境の劣化を懸念して、1988年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立された「IPCC」は人類の行動を起源とする「気候変化、影響、適応及び緩和方策」について、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として設立されている。

 以来、5~6年ごとに各国政府を通じて推薦された科学者が参加し、気候変動に関する科学研究から得られた最新の知見を評価し、評価報告書(assessment report)にまとめて公表します。第5次報告は日本からも10人の科学者が参加して2014年11月に行われている。

 2015年12月にパリ開催の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で世界の気温上昇を2度未満に抑えるための取り組みに合意し、パリ協定を採択された。
 世界196カ国の国・地域がすべて、温室効果ガス削減を約束するのは初めてである。その意味では大変すばらしい成果であるが、合意の要旨は、

  • 温室効果ガス排出量が速やかにピークに達して減り始めるようにする
  • 今世紀後半には温室効果ガスの排出源と吸収源の均衡を達成する
  • 森林・土壌・海洋が自然に吸収できる量にまで、排出量を2050~2100年の間に減らしていく
  • 地球の気温上昇を2度より「かなり低く」抑え、1.5度未満に抑えるための取り組みを推進する
  • 5年ごとに進展を点検

 至極当然の内容であるが、ここまで切羽詰まった状況と思われる中でも、具体的な行動プランがないことは誠に残念で大きな懸念材料である。
 地球温暖化というさまざまな利害が交錯する課題を全会一致で合意することはかなりの困難を伴う。残念ながら、一方で実際社会では明らかな温暖化要因であっても社会が排除できないような環境にある。
 このような状況が続けば合意のできないまま時間切れで物理的に取り返しのつかない地球環境になってしまうことは避けられないであろうことは明白である。

■早く対策をとらないと手遅れになる
 2016年4月22日の「地球の日」に国連本部でフランスのパリで2015年12月に採択された地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の署名式が、アメリカ・ニューヨークの国連本部で170以上の国と地域の首脳らの参加のもとで開かれた。

 署名に先だち地球温暖化防止運動に熱心な俳優のレオナルド・ディカプリオさんがスピーチを行った。彼の口から出たのは、「温暖化を食い止めるのは簡単ではない。その手段はあるのだから、早く対策をとらないと手遅れになる」という緊急性をアピールする内容だった。
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 彼の政治や経済的な立場を超え、地球環境の未来を憂う素直なスピーチであった。国際会議に揃う面々は、国や地域の代表でそれぞれにある背景の利害を抱えて参加しているので、一番大切な次世代の子供たちの未来をどうするかという観点だけで話し合われることがなされないのは残念である。

◆終末時計は?
 CNNの今年の1月の報道によれば米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は、人類に残された時間を象徴的に示す「終末時計」の針を「昨年のまま動かさないことにしたと発表した」と伝えている
 その発表によると、終末時計は昨年、それまでの11時55分から2分進められ、1984年の冷戦時代と同じ11時57分、12時まで残り3分である。

 第2次世界大戦が終わってから、日本を巻き込んだ戦争がないために、あまり危機感が持てない状況にあるが、この時計を管理している人たちの見方は、「世界の指導者が依然として取り組みに集中できず、核兵器や気候変動の危険回避に世界の注目が集まらない現状に対する失望の表明」としている。

 この指標はノーベル賞受賞者なども加わった委員会で国際問題についての現状を定期的に分析して作成されている。誰もが危機だと感じている「核兵器」と「地球温暖化」への対応に重点を置いて、終末時計の秒針を動かすかどうかを検討している。

 同委員会のローレンス・クラウス氏は、地球温暖化対策の新たな枠組みとなる「パリ協定」や米国とイランの合意が成立してもなお、世界は恐るべき難題に直面しているとの見方を示している。

 時計の針を戻すためには、「我々が考え方を変えない限り、人類は深刻な危機に直面し続ける」としている。

■市民レベルでできることを実行する社会づくりへ

日本の気象庁発表「2015年国内陸上3カ所の観測点で過去最高値を更新し、400PPMを超えた。2014年度比各地で1.8~1.9ppm増加で歯止めがかからない。2016年神奈川県綾瀬市から南鳥島の上空の大気観測でも4月の平均値は406.9ppm」

 終末時計の指標が正当かどうかはそれぞれの判断があるかもしれないが、大きな観点にたって考えれば、「核兵器」は使用されれば地理的な距離を超えて壊滅的な被害をもたらすことは明確である。地球上から核兵器を廃絶しない限り、人類滅亡へのリスクはなくならない。私たち人類すべてが「核の廃絶を願い」そのために行動することがもとめられている。

 「我々が考え方を変えない限り、人類は深刻な危機に直面し続ける」

 政治的なリーダーによるところが大きいが、一人ひとりが機会あるごとに意思表示をしてそのリーダーたちの「考えを変えてゆく」努力が求められている。

 現在、核兵器よりも危機的な状況であるという見方がある。核兵器は使用されない限り被害を及ぼさないが、「地球温暖化による気候変動のリスク」は日々進行していて、さまざまな自然災害が地球のあちこちで発生している状況からすれば、いつ自分たちが被害を受けるかもしれないリスクは高まっている。

 気候変動は自然災害を伴うが、すべて人為的な活動が原因の人災ともいえる。この問題も「我々が考え方を変えない限り、人類は深刻な危機に直面し続ける」が当てはまる。

地球全体の二酸化炭素の経年変化

 少し古いデータなので、大まかな傾向をご理解いただく数字としてご理解をしていただきたいが、1950年からの50年間で木材の使用量は3倍になり、紙の使用量は6倍に、漁獲量は5倍に、穀物の消費量は3倍に、化石燃料の使用量は5倍近くに増えている。(レスターブラウン編著「地球環境データブック2000-2001」)
 その後の状況を見れば、明らかにこれらの資源はさらに経済成長に伴い消費量が増え一方で供給量は逼迫してきている。
 資源確保のために地球は劣化をしている。森林破壊、オゾン層の破壊、化石燃料の排出、大気汚染、地球温暖化、砂漠化、洪水、干ばつの頻発などこのままでは先行き明るい展望は描けない状況である。

インドネシアチーク植林地に混植種まきから6か月でここまで成長

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 このまま誰かが、政府が行政が何とかしてくれるという他力本画的な考えをやめて、自らができることに取り組んで、より良い未来を創るために行動を始めるときは「今」である。生活面で使い捨ての考えを改めて日本人の持つ「もったいない」精神を世界的に普及すること、食生活を昔ながらの日本食に近い形に変え、食生活はベジタリアンを目指すことなど自立的な生活に変えることである。

 CO2を自分たちができることで削減する行動=前稿で述べたCO2の吸収力の強い植物=モリンガをみんなで世界規模で植林する活動を広めることでCO2の吸収と環境保全、食料としての供給など多くの恵みを享受できる。

貧困地域の分布とモリンガの生育地域

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