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沖縄は「独立」ではなく「自立」を

 今月、G7伊勢志摩サミットを前にして、沖縄県うるま市に住む女性が、在沖縄米軍の米軍属に殺害され遺体を遺棄されるという、大変痛ましい事件が起きた。この事件により、沖縄では反米感情の高まりと同時に、反政府感情も高まりつつあるという。日々、インターネットで琉球新報や沖縄タイムスなどの沖縄メディアをチェックしていると、「植民地扱い」という言葉まで踊るほど、沖縄の政治情勢の不安定さがうかがえる。

 こうした中で、琉球独立勢力が活動を活発化させることを私は懸念している。現に、私の住む東京都内でも「沖縄の自己決定権」に関する講演会が、この事件の後にたくさん開催される予定であり、5月29日には埼玉県内でも反日勢力による集会が行われ、沖縄の「平和運動の象徴」とされる山城博治氏がスピーチに登壇するという事態まで起きた。

 いま、沖縄に必要なものは何か。こうした米軍基地にまつわる問題や、それに意図的に絡めた問題を背景にした、偽りの「琉球ナショナリズム」なのか。それとも、「日本国沖縄県民としての誇り」なのか。それが、沖縄県民に問われている。私は、後者だと考える。

 さて、「日本国沖縄県民としての誇り」を持つためには、一体どうすべきなのだろうか。歴史や文化などもあるだろうが、目に見える形で「誇り」を持てるとしたら「経済」ではないだろうか。よく、県民性を話題にする番組では、東京や大阪の人はプライドが高いように指摘される。それは、日本を代表する大都会であるからで、日本の経済の中核を担っているからだ。それゆえに「都会人」としてのプライドを持つ。そして、地方の県民は憧れを持つ。沖縄もそうした、「経済力を背景にしたプライド」を持つべきではないだろうか。

 沖縄は、日本でも最下位といわれるほど県民の平均所得が低い。子どもの貧困率も高く、学力も低い。旧帝国大学への進学率も、他県とは大差がある。このような現実があるがゆえに、沖縄県民は「卑屈」になっている。その感情と、メディアに作られた反米・反政府感情によって、偽りの「琉球ナショナリズム」が生まれるともいえる。

 では、沖縄が経済的に発展するにはどうすればいいのか。私は、保守言論活動を続けて以来、ずっと考えてきた。私の父は、仕事柄沖縄の経済界には詳しいので、この問題について大変議論をするのだが、「沖縄だからこそできること」という点では、父も答えを出せないでいた。だが、よく考えてほしい。沖縄がなぜ「観光立県」と言われているのかを。それは、広大な美しい「海」があるからだ。やはり、答えは沖縄の広大な海にあるのである。我が国は、世界でも有数のEEZ(排他的経済水域)を持っている。それ故に、中国や韓国、そして台湾の一部の反日勢力から、領海侵犯や違法操業、一方的な領域主権の主張などが繰り返されている。沖縄県を振り返ってみれば、尖閣諸島については、中国共産党政府や台湾政府は領域主権を一方的に主張している。その原因は、周辺海域に眠る天然ガス資源だ。また、JAMSTEC(日本海洋研究開発機構)などの研究機関の調査によれば、琉球海溝周辺にはチムニー(熱水鉱床)が確認されており、重金属や希少金属(レアアース)などの存在が確認されている。

 また、ジャーナリストの青山繁晴氏によれば、膨大なメタンハイドレートも確認されているという。これを活かすのはどうだろうか。沖縄県の水域に、このような資源が眠っているならば、国内の旧財閥系のエネルギー開発系の企業などを沖縄県内に誘致することができる。そして、雇用が生まれる。我が国のエネルギーの自給にも繋がる。これは、私のような辺野古移設容認派、対する反対派にとっても有益ではないだろうか。とくに基地反対派にとっては「基地に依存しない経済」と主張できるではないか。しかし、そのような対案は聞こえてこない。

 もし、このような経済構造が沖縄に生まれれば、「沖縄だってやればできる」「沖縄が日本に貢献している」「沖縄は日本にとってなくてはならない存在だ」と思えるようになり、誇りを持てる。地方創生にもなるだろう。県外への人材流出も抑えることができる。だが、このような経済政策を日本政府も沖縄の政治家も訴えようとはしない。中国に配慮しているのもあるだろう。また、我が国の官僚機構の問題もあるだろう。沖縄県民は、いま卑屈になっている。「夢」が足りないのだ。沖縄県民に「夢」を与える政治家が出てきてほしい。私は、これを「ウチナードリームビジョン」と呼んでいる。

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