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親の身勝手なしつけは、虐待に繋がる

 北海道七飯(ななえ)町東大沼の林で28日の午後、小学2年生の田野岡大和君が行方不明になったというニュースが流れました。当初は、大和君は「山菜採り中に家族とはぐれた」ということだったのですが、29日になって、両親が置き去りにしたのが原因だと発表されました。

 父親の貴之さんは置き去りにした理由を、「しつけのために怖い思いをさせようと車から降ろした」と話していました。具体的に何があったかというと、28日は午後から大和君の姉を含めた一家4人で、鹿部町の公園に車で出かけ、そこで水遊びなどをした後、大和君が車道に向かって石を投げたため、貴之さんは叱ったそうです。大和君は以前にも車に石で傷を付けたことがあったので、「父親としての威厳を示さなければ」と感じ、叱るだけではなく、「反省しなさい」と林道で車から降ろしたのでした。泣きながら追いかけてきたので、親の情が働いたのか、1度は車内に入れました。ところが、大和君が反省していない素振りを見せたのか、約500メートル先の三差路で再び降ろしたそうです。そして、5分後に戻った時には既に姿が見えなくなっていたということでした。

 両親は当初、28日に一家で山菜採りに出かけ、約1時間後に大和君の行方が分からなくなったと警察に説明していました。嘘をついてしまった理由は、「普段から虐待をしていると疑われると思った。世間体を気にし、山菜採り中に行方不明になったと言ってしまった」ということです。ですが、多くの人が捜査してくれていることが申し訳なくなり、本当のことを伝えたのだそうです。函館中央署は置き去りが、保護責任者遺棄容疑にあたるかを慎重に調べています。

 未だに大和君は発見されていません。29日は道警と消防など約180人体制で日没まで捜索を続け、30日は午前6時から再開し、大和君の行く方を必死に探し続けています。

 両親のしつけが誤った方向にいってしまった今回の件、果たしてこれはしつけなのか、虐待なのか、ネット上では様々な意見が飛び交っています。その意見をみながら、子どものしつけについて考えてみたいと思います。
 
●Twitterでの様々な反応
 両親を非難する声や、大和君を擁護する声などがある一方で、実際に自分もしつけとして置き去りにされた体験があるという声など、様々な意見が飛び交っています。

<両親の「しつけ」に対する非難の声>

 『道南で親が躾のために7歳の子供を山林に5分間置き去りにして、戻ったら行方不明になったってニュースやっていたけど、ホント親の風上にもおけないな。躾ってそうじゃないでしょ?しっかり子供と向き合って同じものさしで伝えなきゃ。それは躾じゃなくて虐待だよ。躾って言葉嫌い。子供は家畜じゃない』

 『すごいわ。しつけって、置き去りにしたらどんな良い効果あんの。親は一生後悔して過ごせ』

 『しつけでもやっていい限度あると思う。なんでこんなのわかんない人が親になれてるのかわからん』

 『置き去りにしたらいい子に育つの?自分が山に置き去りにされて良かった成功体験じゃないやろ? どうやったらそんな発想になるんだろう。腹立たしい』

<両親の嘘に対する非難の声>

 『最初に置き去りにしたのを誤魔化した時点で、子供の心配じゃなくて自己保身に走ってるよな。そうなると5分ほどで戻ったってのも怪しくて、「自分はすぐ戻ったのに、子供が勝手に動いたのが悪い」と責任転嫁してるようにしか聞こえんよなこりゃ』

 『自分らのやったことが世間一般の「しつけ」と乖離しているとわかっていたからわざわざ嘘を吐いたんだろうなぁ?。正しいしつけだと自信持って言えるなら隠そうとしないはず』

<「しつけ」で置き去りにされた体験があるとの声>

 『しつけで山に置き去り、僕も知らない街中で置き去りにされたことがあるよ…。なぜとか考えられなくてとにかく必死で追いつくために泣きながら走った記憶がある』

 『こういう躾はわたしもされたことあるし、親としてはやってしまうことではあるかもね。ただ山林でってのがあかんかったなー』

 『自分も子供の頃に母親から家の外に閉めだされたりした事あったんだけど、あの行為は特に何も生まないなあと大人になって感じてる。しつけと称してあんな事するんだったら、まだ子供の目を見ながら5分10分話した方が効果あると思う』

 『娘が小さいころにショッピングセンターでダダをこねたから 「置き去り」のフリして驚かせたもんだよ。 そんな程度で十分なんだわ』

●しつけは何のために行うのか?
 ネット上では両親の言っていることが全て嘘だ、まだ隠していることがあるはずだと疑いの声も多いですが、今見えている事実だけで考えると、今回の件はしつけとしてはやり過ぎだと言っていいと思います。実際に置き去りを体験した人でも、あれには意味がなかった、何ら変わりなかったと言っていますし、確かに子供の目をちゃんと見て何が悪いことなのか、きちんと話す方が子どもの成長にとってはよっぽどいいでしょう。

 虐待かどうかは、子ども自身が決めることだと思うので、大和君が無事に発見されて両親のことをどう思うのかによりますが、自分が大和君の立場だったら怖い思いをさせられたと心に傷を負って両親とは距離をとるだろうなと思いますね。自分も悪かったところはあると反省する気持ちもあるでしょうが、それ以上に置き去りにされたことは相当なショックなので、親への信頼感はなくなってしまう恐れがあると考えられます。

 私もしつけのための置き去りではないのですが、同じようなショックを受けた経験があります。私が昼寝をしている間、母が私以外の兄弟をつれて近所まで買い物に出かけてしまい、起きた時には誰もいなかったということがありました。今考えれば、寝ているのを起こさないように出かけたのだろうと分かりますが、当時は自分だけ置いてきぼりにされたことが、母からの裏切りのように思えてしまったのです。せめて一言言ってくれたら一緒に行ったのに、何で起こしてくれなかったのかと悲しさと同時に恨みのような感情がこみあげてきて、泣きじゃくってしまいました。母はすぐ帰ってきてくれたので私の心に傷が残ることはなかったですが、大和君の気持ちを考えると、いくら親がしつけのためだったと弁明してきたとしても、親の愛情を感じられないと許すことはできないのではないでしょうか。

 親としても子どもをきちんとした大人に育てたいと思ってしつけをするのですが、親としての体面よりも、子どものためにという意識を持ってしつけをしてほしいです。親の体面、怒りを押し付けるようなしつけは、虐待に繋がることもあります。どんなしつけをすればその子が一番成長できるのか、それを考えてしつけをすれば、その時は分かってくれなくても、いずれ親になった時には分かってくれることでしょう。しつけは簡単なことではないですが、何のためにしつけをするのか、それを忘れないでほしいものです。

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