ワシントン・タイムズ・ジャパン

温暖化を救う「モリンガ」の植林

■「議論や言い訳をしている暇はない!」

 日本の報道では見逃したようであるが、4月22日のアースデイにニューヨークの国連総会に各国首脳がパリ協定の調印の為に集まった。そこに参加したレオナルド・ディカプリオ氏が5分間のスピーチを行ったそうである。そのスピーチの中で、「議論や言い訳をしている暇はない!」と訴えた。さらに彼はこう続ける。

 “私たちは21年におよぶ議論と会議を体験した。もうこれ以上の議論や言い訳、10年にわたる研究、私たちの未来に大きな影響を与える科学や政策に対する化石燃料産業による操作や支配は必要ないと宣言しよう! 世界はあなたたちを見ている。未来世代から称賛を得るか、罵倒されるか、さあ、どちらを選ぶのか?”(source: Climatic Change)

 同じような呼びかけを2008年3月26日の米誌Newsweekの記事で見かけたことを思い出した。「議論している余裕はない!」という表題で地球温暖化の対句として地球規模での植林を進める提案があった。しかし、地球温暖化の進行に対する危機感の欠如や森林の保護や植林の大切さを含んだこの提案の素晴らしさが理解されることはなかった。

■まだ、地球温暖化を知らない人が多い

 2015年8月8日のVICEに 「地球温暖化」をどれくらいの人々が気にかけているか、その差が生まれる要因は何なのか」を調査したレポートが発表されている。年々、地球の各地で自然災害が起こって、たくさんの犠牲者が出ているのにおよそ「40%の人が地球温暖化を知らない」という結果には驚かされる。

 この報告の研究者は2007年から2008年に100以上の国から集めたデータを細かく分析、国別の認知度の差や社会的な原因を明らかにしようと試みている。その中の発見の一つは、発展途上国に比べると先進国の方が「地球温暖化について気にかけている人の割合が高い」ことである。

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 「地球温暖化を知っている人の割合」もアメリカやカナダで90%なのに対して、インドやパキスタンでは30~39%、エジプトでは30%以下となっている。

 しかし、温暖化に伴う気候変動で大雨の「洪水」や少雨による「干ばつ」被害や海面上昇による海岸や国土の消失などの直接的な被害を多く受けている発展途上国の人々は、先進国の人に比べてより深刻な問題として温暖化を捉えている傾向もみられることが明らかになりました。研究を率いたAnthony Leiserowitz氏は次のように述べている。

 「これ(途上国の人がより心配している状況)は、直感的に理解できますよね。現実として、彼らはより被害を受けやすい状態にいるわけですから。だからこそ、途上国の人々が地球温暖化について、あまり知らない状況はゆゆしき問題なのだ」と指摘している。

 自分たちの生活の中で起こっている様々な事象が「地球温暖化」により起こっているという因果関係を知らない場合、正しい情報に基づいた適切な準備、長期的な投資を行うことなど不可能である。ここでも明らかに先進国と途上国の情報を得られる格差の存在がみられる。アメリカの調査では中国などでは教育水準が人々の意識に大きく影響していることが分かっている。

■万人向けのアピールでは効果がない?

 地球温暖化について認識を深めた活動家は、万人に向けた情報発信、アピールを繰り返す傾向にある。たしかに、植林の大切さや熱帯雨林の保護と再生の大切さをアピールしても、理解しているかどうかを判断するのが難しいのが現実である。

 「植林大切だよね」という理解はされても、そのことが植林行動につながるかは、個人個人の理解のされ方により分かれる。さらに、“地球の肺”と呼ばれる「熱帯雨林」が危機的な状況であることを伝えても、自分の問題として受け止めることは難しいようである。

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 地球温暖化についても、「それぞれの人がそれぞれ違った理由で」関心をもったり取り組んだりしているのだから、「みんなで頑張ろう!」と言うだけで、世界中に働きかけていくには不十分ということのようである。

 「人類の手によって短期間に起きた変化の痕跡は、地質学的にも非常に大きい。化石燃料を燃やすことで大気の化学組成が変わり、二酸化炭素(CO2)濃度は少なくとも過去80万年、もしかしたら過去300万年ぶりの高水準となった。

 その結果、温暖化によって、氷雪の融解や海水の酸性化など、地球規模の変化が起きている。グローバル化に伴い、船や航空機などを介して生物種が他地域へ移動し、「大規模な均一化」も起きている。

 地球の表面の形状も、大きく変わった。米コロラド大学のジェームズ・シビツキ教授は、過去200年間にわたる産業採掘、ダム建設、森林伐採、農業によって、「人間は地球上に彫刻をしてきたようなもの」と語る。特に、19世紀半ばから建設されてきた多数のダムは、「地球の水の移動を完全に変えてしまった」という。このような話を聞いても自身の生活実感とかけ離れすぎていて理解不能になってしまっている。

■気候変動は起きてる。確実に暑くなってる現実

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 過酷な熱波が続くインドについて、2016年4月27日の記事で、「インドの熱波は未知の領域『48.5℃』へ突入…」という記事を見たばかりであるが、5月20にはついに気温が51℃を観測されたと報道されている。暑い国のインドとはいえ、気温が50℃を越えることは極めて珍しく、これまでインドで記録された最高気温は、1956年にインド北部のラジャスタン州のファロディという砂漠の都市で観測された50.6℃である。

 アジア・ユーラシア地域の気温が全体に上昇していて、タイやミャンマーにも40℃を越えているところが出ている。パキスタンでは「46℃」という場所がある。これらの地域では熱波による被害者が出ており、これから「夏に向かう」と今後どのようなことになって行くのが心配である。

■確実に気温の上がっている地球。何かせねば、何か

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 確実に地球の気温は上昇し、陸上では熱波に限らず、洪水、干ばつ、竜巻、砂嵐など様々な災害に見舞われている。海でも温暖化の上昇の影響を受けて、海水温も上昇して海でも魚の大量死やクラゲの大発生、見たことのない深海魚が現れたり、異変を象徴する出来事が世界各地で起きている。

 日常生活の中では分かりにくいことではあるが、「問題は、地球規模で起こっている」ということである。だから、今、自分の目の前で起こっていないから、「大丈夫だ」とは言えないのである。過去の経験から判断のできない性質の問題なので理解することが難しいのである。

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 何かせねば、どうにかしないと次世代が危ない、対応策はないかと考える中で、素晴らしい植物があるという情報に出会い、地球規模の「適応策」になりうると考えている。

 ご存知の方も多いと思いますが、日本では「ワサビノキ」と呼ばれ、アユルベーダー医学(インドの伝統医学)でも珍重されてきた「モリンガ」を地球規模で普及、植林することである。

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 近年、研究によって豊富な栄養素と優れた健康促進効果、美容への効果が期待できるとして世界各地の多くの人に愛され普及し始めている。そのように幅広い用途があり、地球温暖化の進行による食料不足の危機にも対応が期待されている。

 しかも、最大の特長は成長力が極めて旺盛で、一般の植物と比べおよそ20倍以上ものCO2吸収力があるといわれている。私たち人間は、これらの特長を有効に活用させてもらって、急速に進行する地球温暖化に少しでも歯止めをかける適応策として取り組むことが求められている。生命力旺盛で厳しい環境でもよく育つので、世界中で「モリンガの植林」を生活の一部として推進することが「地球市民が手軽に行うことの出来る」すばらしい対策の一つである。

 地球市民運動のレベルにして、ぜひともCO2を削減して、次世代が安心できる環境を残したいと願っている。

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