ワシントン・タイムズ・ジャパン

なんだか気候が変だと感じながら……

無為自然

 このところの気候がなんだか変だなーとほとんどの人が自らの体で「体感」している。2011年4月のNHK放送文化研究所の世論調査がある。そのなかで「負担意識と行動からみる環境への危機感」について、「何が環境にとって危険だと感じているか」という問いかけに76%の人が「地球温暖化」と回答している。

 日常生活の中でも「今日は暑いねー!」「今日は寒いね」「昨日の雨の降り方はひどかったねー!」「風の吹き方が変だね」というような気候の話から会話が始まる。
 ほとんどのみなさんが気候の異常に気がつくようになっているが、その気候の異変を「自分たち人間の生活スタイルが招いている」ことに気づいている人は少ないか、無視し続けている。

 実際にNHKの世論調査でも、環境保護について、「人生には、環境を守ることよりもっと大切なことがあると思うか」という問いかけに、どちらともいえないが43%で、残り51%が「賛成」と「反対」が拮抗している。
 しかも危機感が深くない表れとして、「環境保護のための負担意向は進んで負担する」と答えた人はわずかに2%である。

 この世論調査からも分かるように、地球環境の「劣化」や「破壊」に自分の行動や生活スタイルが大きく影響していると考える人が少ないのが現実である。だから、自らの生活を犠牲にしても「環境に良い行動をする」ことにつながらないのである。

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植物も動物も大自然のサイクルの一断片

 地球上のすべての生き物は繋がっている。
 地球という大きな住まいの中でそれぞれが役割を果たして、それぞれが生かし合うための一つのピースである。だから、生物多様性の維持が大切なのである。

 分かりやすい身近な例として「病気」がある。
 病気の本質は、病気になった「患者の気持ち」や「患者の栄養」「体内にある有害物質の種類と量」「体内に侵入している細菌の種類」などのほか、「偶発的な要素」などすべてとの関連で捉えないと理解できないし、治療も行えない。
 人類の歴史、何世紀にも渡って明らかにされてきていることに、「植物も動物も永遠の大自然のサイクルの一断片」でしかないという考えで生活している人々は「がん」にならないと言われている。

 わたしたち人間は、どのように文明が進んだとしても自然の摂理にしたがって「生」を受けた「自然物」そのものであることに変わりはないからである。
 「地球温暖化の危機」回避のためには、同様にすべての生物の生きる多様性の中でわたしたち人類も生かされているという事実に気が付くことが不可欠である。

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自然の摂理に学ぶライフスタイルを

 自然のサイクルに反した形で、食事内容を大幅に近代化させてきた世界では、比較的短い時間で「がんをはじめとするほとんどの生活習慣病=退化病」の犠牲になっています。
 「がん」と無縁で、「長寿の郷」として有名な「フンザの人々」がいる。彼らはヒマラヤ山中の斜面に住み、自分たちの土地でとれる「自然な堆肥」で育てた食べ物だけで生きている。外部からの食べ物は一切、タブーで受け付けない生活をしている。

 わたしたち日本人はどうでしょうか?
 昔の日本食は、大変健康でバランスのとれた食事内容でしたが、戦後、アメリカ文化の影響を受けて、食事のバランスが崩れてしまっている。
 便利さの追求から、季節に関係なくさまざまな野菜が店頭に並んで、良く調理された食品が売られている。

 しかし、人間も自然の中の一員なので、自然な形で、自然な結びつき、できる限り自然で有機栽培された食品を食べるほうがより健康的で安心できる。
 便利さと速さ、効率を求め続ける近代文明が人間にもたらしているダメージは土壌の悪化からスタートしている。

 わたしたちにとって、野菜は土の中のミネラルを人間が利用しやすい形で運んでくれる大事な食物である。その元になる大地の「土」のなかのミネラルやビタミンがどんどん少なくなっている。
 文部科学省の野菜に含まれる栄養素を比較調査によるとホウレンソウの場合、この30年間にビタミンAが半分に、ビタミンCが約4分の1、鉄分が約4分の1に減少している。

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「お金と経済」優先の価値観からの転換

 昔ながらの自然と共にある有機栽培であれば、有機物とミネラルがたっぷり補給できるが、化学農薬や化学肥料で育てられた作物を食べている現代人は微量ミネラルや栄養の補給が不十分な状態に陥っている。
 同じ野菜を食べていても、いわゆる栄養素はともかく、人体の健康に大切なビタミンやミネラルの種類も量も不足してしまって、生活習慣病が蔓延する時代になっている。
 自然の中で育った野菜には強い生命力がある。

 日本には四季があり、季節に合わせた体調管理が不可欠である。それぞれ季節に応じた「旬の食材」を食することで変化への対応ができるように自然の恵みが与えられている。
 わたしたち人間も自然界の一員であるという自覚をもって、自分を取り巻く環境と共存するライフスタイルを取り戻したいものである。

 便利さと引き換えに結果的に環境破壊をしている現代日本人社会のあり方、ライフスタイルを見直すことが地球環境の再生につながるということに気が付くことがより良い未来づくりにつながる。

 今を生きる一人一人の行動が未来の子供たちのための健康な地球を引き継ぐことにつながっている。
 人間の健康としあわせは、まわりの自然と生き物との平和な共存なしにはあり得ないという「自然の理」を再認識し、「お金と経済」優先の価値観を「空気や水」「食の安全」「自然環境」「コミュニティーの形成」などに価値をおくことに積極的な「意思」と「行動」が求められている。

どちらの森を次世代に残すべきか?

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